News&Topics 学習院大学理学部からのニュース (2009/03/06)

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学習院大学理学部 守りつづける伝統と広がる可能性自然科学研究棟(仮称)2009年12月完成予想図


学習院大学理学部生命科学科設立記念シンポジウム
『生命の秘密を解く鍵をもとめて』第5回

学習院大学では本年4月より理学部に「生命科学科」が誕生します。
これを記念して生命科学シンポジウム(第5回)を開催いたします。

2009年4月18日(土)14:00〜17:00
学習院大学 西2号館302教室
(豊島区目白1-5-1、JR山手線目白駅(徒歩3分)

聴講無料、予約不要。多くの方々の御来聴をお待ちしています。

主催:学習院大学理学部   後援:豊島区

連絡先:学習院大学理学部生命分子科学研究所
馬渕一誠(Tel. 03-3986-0221 6421 Fax. 03-5992-1029)
HP: 学習院大学 http://www.gakushuin.ac.jp/univ/adm/adm/main.html
理学部 http://www.gakushuin.ac.jp/univ/sci/top


ポスター



<講演者>


学習院大学理学部・教授 岡田哲二
「分子から解く視覚のしくみ」

光が眼の中で吸収されてから情報として脳での感覚を発生する、という過程のメカニズムを明らかにするために、 現在も様々な分野で研究が行われています。その中から眼の側での分子レベルの研究を中心として、 生命現象の理解という知的好奇心を満たすものはもちろんですが、将来的には我々の生活をより豊かにする可能性を予感させるものを 紹介したいと思います。

総合研究大学院大学・教授 長谷川眞理子
「ヒトはどこから来てどこへ行くのか:人類進化の過去と未来」

人類とは、直立二足歩行する霊長類である。人類がチンパンジーと違う道を歩み始めたのは今から700万年ほど前。 その後、チンパンジーたちは絶滅危惧種になっていくが、ヒトは全世界に広がり、科学技術文明を発達させた。 その違いを引き起こした根本的な違いは何だったのだろう? 人類のその性質は、これから自分たちをどこに導いていくのだろう? ヒトに関する科学を総動員して考えてみたい。

立教大学極限生命情報研究センター・理学研究科・特任教授 黒岩 常祥
「真核生命誕生と進化の立役者「リング」の正体を最先端ゲノム科学で解明」

われわれの細胞の源は、約20億年前に、細菌の共生により誕生したと考えられているが、その誕生のしくみは依然として謎に包まれている。 最新のゲノム・マス科学を駆使して原始的な細胞を調べたところ、細胞内の小胞の形成、ミトコンドリアや葉緑体の分裂、 そして細胞分裂までもが、ダイナミンと未知物質からなる共通の細い繊維の束(ナノ・リング)の収縮で起こることが明らかとなった。 このナノ・マシーンの発見から細胞内社会の誕生と進化における役割について易しく紹介する。

元・理化学研究所ゲノム科学総合研究センター・所長 和田昭允
「生命はなぜ不思議なのか?」

生命科学は、その多くがまだ生命現象の描写に止まっており、生命世界が、物質世界の特殊な部分空間としてなぜ出てきたか? の問題意識があまり見えない。サイエンス研究は“真理解明”を目指すべきだ。現在行われている“仕組み解明” は単にその第一歩に過ぎず、その先の哲学的展望を持たなければ、科学史の一章は書けない。私の母校(1936初入-1949旧高卒) である学習院の「生命科学科」の発足を祝って、素朴な生命論を開陳する。