日々の雑感的なもの ― 田崎晴明

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茶色の文字で書いてある部分は、相当に細かい仕事の話なので、ふつうの読者の方は読み飛ばしてください。


2/28/2008(木)

さあ、二月だ! 希望の二月がやってきた。

入学試験や卒業研究発表会など、多少の雑用はあるものの、講義はない。 久々に自由な時間を使って、仕事にのめりこみたい。 書きかけの論文を仕上げたり、読みたかったものを読んだり、のんびりと考え事をしたり、さらには、懸案になっている数学の講義ノートの修正と加筆をしたり、超懸案になっている統計力学の本の加筆修正仕上げをしたりといった時間のかかる作業にも取り組むことができるに違いない。


と思いつつ、あっという間に日々が過ぎ去り、ついに 28 日。

でも、今日は本当に「希望の二月」のイメージに近く、朝、家で軽く仕事をしてから昼過ぎに余裕をもって大学へ。 小春日和の陽射しのなか、わざと遠回りして、素敵な住宅街を通って歩きながら、小松さん、中川さん、佐々さんとの論文のイントロをどう書き直すかを考える。 ついに完璧にピントがあってきて、歩きながら、構成と書くべき文章が自然に頭に浮かんでくる。 こういうのが、夢にみた「仕事にのめりこむ」感覚なのだ。

そのまま大学に着いてしまうのが惜しくなり、ちょうど通りかかった小さな公園(かつての庭園を保存して区立の公園になっているのだ)に入ることにした。 庭園を散策し池を眺めながら、論文のイントロをかためる作業を続ける。

いい感じだ。


嗚呼、だが、しかし。

大学について、雑用を一つ一つこなしていくのだが、夕方遅くなって新たな雑用がどーんとやってくる。 事務の担当のみなさんも、すさまじい時間をかけてがんばってくださっているので、こちらもやらないわけにはいかない。

けっきょく、夜に大学を後にするまで、ずっと雑用しかできなかったのであった・・・


と、例年なら、これで2月が寂しく去っていくところだが、今年はちがう!!

こんな私のために、神様は「閏年」というものを贈ってくださったのじゃ。 まだ、あと一日、希望の二月が続くんだ。 がんばるぞー(明日は午前も午後も会議だけどね)


2/29/2008(金)

午後の(全学の)会議で自分の役目が終わって座っているあいだに、「今日はプールに行こう」という思いが突然わいてきた。

プールのプリペイドカードを見ると、けっきょく、一月のプールは 4 日と 15 日の二回だけ。 二月には一度も行っていない。 今日、プールに行かなければ、二月はプールなしの月になってしまうと思うと、神様がプレゼントしてくれた、この余分な一日を活かすためにもプールに行こうと思うのである。

会議後、二、三用事をしてから早めに帰宅し、いつものプールへ。 今日は小学生のプール教室か何かのため 6 時まで貸し切り。 逆に、6 時ちょうどに行けばすいているのである。

久々のプールは、ねらったとおり、ガラガラにすいている。 25 メートルプールを完璧に一人で占有してゆっくりと泳ぎ始める。実に気持ちがよい。

途中から、少しだけ人が増えたが、それでも、ぼくの泳いでいた完泳コースの2コースは、ぼく一人が貸し切り状態。 一ヶ月以上のブランクがあるので体力が心配だったが、なんのことはなく、実に気持ちよく1200 メートルを泳いだ。 この間、ずっと2コースをぼく一人で占有。こんな事は、覚えている限り、はじめてだ。


久々の本格的な運動は、明らかに、肉体+精神に圧倒的な効果を及ぼす。 シャワーを浴び、着替えて外に出ると、筋肉が暖まり体が活性化していることが強く実感される。

おそらく何かの快感物質が分泌されるのだろう。 少し春めいてきて何かの木の香りをほんのりと含んだ夜の空気を鼻から吸い込むと、なんか恥ずかしい言い方だけど、単にここに自分が存在していることの純粋な喜びをひしひしと感じてしまうのだ。

やっぱりプールに来てよかった。 無理に会議の後も仕事を続けるより、ここで生命エネルギーを高めて、それから仕事をばんばんする方が絶対によい。 さあ、がんばるぞ。

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田崎晴明
学習院大学理学部物理学教室
田崎晴明ホームページ

hal.tasaki@gakushuin.ac.jp