1) 中小企業庁による中小企業の定義は,製造業:資本金3億円以下または従業員300人以下,小売業/サービス業:資本金5000万円以下または従業員50人以下。一方,中堅企業の定義は,「企業規模が大企業と小企業の中間にあり,独自の技術や製品をもち,それぞれの分野で高い市場占有率を維持している企業」(ブリタニカ国際大百科事典)。また,日本経済新聞社では,売上高500億円以下を中堅企業と定義している。
4) 本研究は,学習院大学経済学部の上田隆穂教授,米山茂美教授との共同研究として進行している。本稿は,研究の過程での3人による議論を反映したものとなっている。
5) 原料のスケトウダラが北海道で収穫されていることを生かし,北海道産の明太子が作られ,東京のデパートで販売され始めた。ふくやは地元での直販のみのため無関係だったが,博多の明太子メーカーのうち,やまや,かねふくなどが東京進出していたため,「明太子戦争勃発」とマスコミで騒がれた。その結末は,ブランド力と美味しさで博多の明太子が消費者に選択されることとなった。
7) このエピソードは,川原健著「明太子をつくった男」から。
8) 筆者は,東京の高級スーパーでふくやの明太子がパッケージごと売られているのを目にしたことがある。それは,ふくやから仕入れているのではなく,おそらくスーパーがふくや店舗か通販で購入したものを店頭で売っているということらしい。そのため,値段は割高になっている。
9) ふくやの創業者川原俊夫氏を主人公に,明太子誕生のストーリーを描いた「めんたいぴりり」という連続ドラマが,テレビ西日本で2013年夏に放送。日本民間放送連盟優秀賞など数々の賞を受賞。福岡博多座で舞台化もされた。
12) 恩蔵など(2011)は,企業がお金を支払う広告をPaid Media,企業がコントロール可能な企業WEBサイトなどをOwned Media,消費者発信のソーシャルメディアをEarned Mediaとまとめている。これらトリプルメディアは当初オンラインを想定した言葉であったが,全てのブランド体験接点にあてはめて考えられると指摘している。P46〜47より。