*    学習院大学 大学院 経営学研究科 博士前期課程。

1  ブランドには製品単位の製品ブランドと企業単位の企業ブランドがあるが,本稿では主に製品ブランドを前提に議論する。

2  田中 (1999)は,主体性を「その企業(企業家)が実現したい事業構想を市場において自由に実現できる 程度」と定義している。市場適合を中心とするマーケティング・コンセプトを前提としつつ,あくまでも 自社の裁量が許される余地としてとらえていることがわかる。

3  ブランド・マネジメントの文脈において,「一貫性」は「継続性」と同じ意味合い(通時的一貫性)で扱 われることもあるが,本稿ではアウトプット間の整合性を指し,継続性と区別する。 ブランド・マネジメント組織に関する研究の進展と課題

4  Kitchen and Schultz (2001)は,IMC の発展を@マーケティング・コミュニケーションの戦術的調整Aマー ケティング・コミュニケーション範囲の再定義B情報技術の適用C財務的・戦略的統合の4段階で示して いる(岸 2016)。

5  Aaker (2014)はブランド・チャンピオンを「社内向けにブランドを代行する第一人者であり,ブランドの 概念を同僚に伝え,その同僚たちが独創的な方法でさらに他者へとブランドを伝達するように励ます 人々」と定義している(邦訳210頁)。