新発路






 新発路は新しい首都建設に伴って作られた東西に延びる大通り。この通りに面して関東軍司令部が置かれ、関東軍憲兵司令部・関東軍司令官官邸・日満軍人会館、など日本軍関連施設が集まる地域であった。



sinkyo_geore_030:新発路(宝山百貨店附近)


 絵葉書の写真は新発路のもっとも東の部分を西から撮影したもの。この道をまっすぐ進むと右手に日本帝国領事館が見えてくるはずである。交差している通りは八島通り。
 左手の白い建物は宝山百貨店である。1938年に前田伊織が創業した当時満洲で最大規模を誇る百貨店であった。山田工務店の設計で地上四階建(望楼部分は七階建)。地下一階。当時の新京で最も高い建築であった。屋上には遊園地まで併設されており、展望台からは新京を一望できた。この建物は現在もデパートとして使われている。なお、本機構所蔵の絵葉書セット「新京三十二景色」には「宝山」のスタンプが押されている。おそらく宝山百貨店で購入されたものであろう。

古絵はがき(表)

古絵はがき(裏)