国務院






 国務院は満洲国の中央行政機関である。満洲国は司法・立法・行政に監察を加えた四権分立体制をとり、統治の最高機関を執政として、その下に国務院・立法院・監察院ならびに司法機関として最高法院および最高検察庁を置いた。国務院は執政の命を受けて満洲国の中央行政をつかさどり、その下には民政部・外交部・軍政部・財政部・実業部・交通部・司法部・文教部が置かれた。首班は国務総理(のちに国務総理大臣)であり執政に対する輔弼の責務を担った。
満州国の政府庁舎は新京都市計画の二大軸線である大同大街と順天大街に沿って配置されたが、国務院庁舎は順天大街北端に建てられた。日本の国会議事堂に似た外観を持つこの庁舎は、政府首脳の慎重な審議の結果、営繕需品局の若手建築家である石井達郎の設計案を採用した。1934年7月起工、1936年9月竣工。施工は大林組。中国風の方形屋根に西洋風の円柱を組み合わせた様式は、政府庁舎の白眉と評された。現在は吉林大学医学部として使われている。






sinkyo_geore_022:国務院の偉容



古絵はがき(表)

古絵はがき(裏)