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政治学科Department of Political Studies

ゼミレポート

アメリカ政治演習庄司 香 教授

 アメリカ政治演習では、トランプ政権誕生に象徴される近年のアメリカ政治文化の動向や、それが議会運営や選挙運動などに与える影響について、二大政党が抱える課題、白人至上主義と民主的統治、Black Lives Matter運動とマイノリティの政治参加などさまざまな視点から考察します。学生は、授業で扱う題材の中から問題を設定し、検証していきます。

最新の争点を追う

 アメリカ政治演習(ゼミ)では、アメリカの国内政治に関するホットな争点を毎年扱っています。たとえば、2020年度は、リアルタイムで進行する大統領・連邦議会選挙を追いかけ、コロナ禍のもとで選挙キャンペーンのあり方がどう変わったか、膨大な数に上った選挙関連訴訟に党派性はあったのか、といった問いにグループワークで取り組み論文を執筆しました。
 2021年度は、アメリカでもっとも重大な争点となっている「人種差別」に焦点をあてました。現在人種関係がどのように議論されているか、その背景にはどのような歴史があったのか理解するために、アメリカにおける「カースト制度」や、白人特権を白人がどう自覚し克服していくことができるかを論じたもの、アメリカで「見えない」存在になっているアジア系の歴史と苦悩を扱ったものなど、全米でベストセラーになった多数の本から抜粋を読んで議論しました。グループワークのテーマは、警察改革から映画におけるマイノリティ表象まで多岐にわたっています。

異文化の意味を知る

 アメリカについては、日本にいても映画や音楽、スポーツ中継など様々な角度から日々「触れている」ため、よく知っていると思いがちです。しかし、日本のメディアを通じて知るアメリカ像は、アメリカのほんの一部であるだけでなく、不正確なこともあります。ゼミでは、アメリカの選挙、議会、社会問題などについて深掘りしていくなかで、「本当は知らなかった」アメリカに出会ってほしいと考えています。わかっていると思っていたことも実態は結構違った…という驚きを通して、知的な異文化体験ができます。その衝撃を政治学というレンズを通して味わう面白さは格別のものだと、学生たちに伝えていければと思っています。

改革者になる

 参加する学生は、日本語メディアを通じて知ることのできる情報は限定的であり、英語力を磨くことで確認できる情報と世界がどれほど広がるのかということを実感します。(在学中に英語以外の外国語も修得できるなら、それにこしたことはありません。)多様なソースを自力で確認し、正確な情報を読み分けていく力がつけば、将来どのような仕事についても強みになるし、政治を常に建設的に批判し支えていく市民になれるでしょう。アメリカ政治を知るという知的な訓練は、他の国を理解しようとするときにも当然役立ちます。そして、その経験をもって、やがては、日本という国を振り返り、日本の抱える課題に自分なりの視点から果敢に取り組む改革者となってくれることを期待しています。

友を得る

 ゼミの醍醐味は、なにより友だちに出会うことでしょう。ゼミでは毎年ディベートを行うことで、学生同士が共同作業を経験します。コロナ禍で中断しましたが、例年ゼミ合宿も行ってきました。学生同士で自由にコンパもしているようです。ゼミには同窓会があり、1期生から10代以上にまたがる卒業生たちが毎年集まって、現役生を応援します。卒業生の人生がうまくいっているときも、つまずいたときも、これといってなにもないときも、戻ってきて楽しく愚痴ったり笑ったりできる同窓会でありつづけてほしいと願っています。

この演習に参加した理由は?

 私がこのゼミを選んだ一番大きな理由は、2年生のときに庄司先生のアメリカ政治の講義を受講し、その内容がとてもおもしろかったからです。ゼミもおもしろいのではないかと思い、選びました。もう一つの理由は、中国政治や東アジア政治を学んでも、必ずそこにはアメリカの存在が大きく関わってきます。アメリカ政治を理解することが、他の国の政治の理解にもつながると考えました。
 アメリカ政治演習では、知識を学ぶだけでなく、ディベートやディスカッション・報告の機会がたくさん設けられています。自分が得た知識を実際に使う場があるので、知識はもちろん、多角的に物事をみる力や、論理的に物事を考える力が身に付けられる場所だと思います。

この演習のオススメはここ!

 一番のオススメポイントは、一方的な受け身の授業ではなく、本当の意味で学生参加型の授業であるということです。ディベートを行う場合、自分が共感できない側に立たねばならないこともあり、その場合はより入念な準備が必要になりますが、そうしたことで知識がより自分のものになっていく感覚があります。物事を「知る」だけでなく「理解」したい。そんな人にオススメです。

先生に一言!

 庄司先生は一見厳しい方ですが、実は人間味あふれるやさしい方で、学生をとても気づかってくださいます。コロナ禍の中でも学生がゼミを楽しめるようご尽力いただき、感謝しています。

政治学科4年(2021年10月現在)
古川 愛子Aiko Furukawa