- 最終学歴/学位
- 東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得満期退学、修士(法学)
- 所属学会
- 日本公法学会、全国憲法研究会、憲法理論研究会、日本平和学会、日本オーストラリア学会
- 研究テーマ
- 憲法上の司法的救済、憲法9条論
- 担当科目
- 憲法Ⅰ、Ⅱ(隔年開講)、憲法演習
憲法って何?
憲法をめぐる議論が活発になってきました。もしかすると、近い将来に私たちは主権者として憲法改正に関わることになるかもしれません。でも、まだそれほど憲法を身近に感じていないという人も多いのでは。政治についてはどうでしょう。政治のニュースは難しいから敬遠したくなるとよく聞きます。
「国家権力には警戒しなくてはいけない」とか、「自由を確立するための闘いの歴史」とか言われてもピンとこない─。それはおかしなことではありませんし、ある意味で幸せなことでもあります。「国家」や「人権」を身近に感じてしまうような社会は、その時点ですでに、人権侵害が普通のことになっている可能性がありますよね。
「政治は憲法に従わなくてはいけない」という考え方を「立憲主義」と呼びます。日本国憲法は、立憲主義に立つ憲法です。生来、私たちには不可侵の人権があるとうたい、政治が乗り越えてはいけない限界を定めています。つまり憲法は、権力に枠をはめるという性格を持っているのです。授業では、それが意味することは何か、なるべく具体的な例を用いながら学んでいきます。
憲法の講義で学ぶこと
法学部の憲法の講義で学ぶ内容は、大きく分けると、憲法総論(基本的な考え方)、人権、統治機構の三つに分けられます。これを、本学では憲法Ⅰで、憲法総論と統治機構、憲法Ⅱで人権というように配当しています。
憲法Ⅰでは国会審議の様子を中継ビデオで見たり、話題になっている争点を取り上げて背景や仕組みを学んだりしながら、統治の仕組みを中心に勉強します。憲法だけでなく、国会法や内閣法、裁判所法など様々な法律も参照し、場合によってはさらに下位の法も紹介します。政治ニュースが今よりもずっと面白くなるはずです。
憲法Ⅱでは人権を勉強します。具体的な事件をなるべくたくさん紹介しながら、判例や学説がどういう法を作ってきたか、見てみましょう。日本国憲法が制定されて約70年です。判例・学説も大きく展開しました。残念ながら憲法は、判例と学説との距離が大きい法分野の一つですが、なぜそうなのか、教科書の行間や事件の背景を通して、「生きている憲法」の姿を伝えたいと思います。
著書・論文紹介
『憲法と政治』
(岩波書店、2016年)
『憲法Ⅰ 人権』(共著)
(青井未帆=山本龍彦著、有斐閣、2016年、担当した章:第1編第1章、第2章、第3章、第2編第1章1から3、第3章、第7章、第8章)
「憲法判断の対象と範囲について(適用違憲・法令違憲)─ 近時のアメリカ合衆国における議論を中心に─」
成城法学79号(成城大学、2010年)
「選挙権の救済と国家賠償法─立法不作為の違憲を争う方法として─」
信州大学法学論集9号(信州大学大学院法曹法務研究科、2007年)