- 出身地
- 東京都
- 最終学歴/学位
- 一橋大学大学院法学研究科博士課程/法学博士(一橋大学)
- 所属学会
- 日本国際政治学会、日本政治学会
- 研究テーマ
- 近現代日本の国内政治と外交
- 担当科目
- 日本政治外交史演習、研究指導(大学院)
北朝鮮をめぐる国際政治と日本外交
北朝鮮をめぐる国際政治情勢が緊張しています。日本の安全保障政策にとって、朝鮮半島の重要性は、今に始まったことではありません。近代から続いています。明治国家は朝鮮半島に対して軍事的に自らも手を出さず、他国にも手を出させない方法として、朝鮮永世中立化構想を持っていました。この構想は実現することなく挫折します。その結果が日清戦争でした。
以上の歴史からどのような教訓を学ぶべきでしょうか。北朝鮮に対しては、「対話」だけでも「圧力」だけでも不十分です。「対話と圧力」を駆使して、極東国際政治の勢力均衡の微妙なバランスのうえに、何らかの国際秩序を成立させる必要があります。
以前から北朝鮮は遠からず崩壊すると論じられてきました。国連安保理が全会一致で経済制裁の実施を決めたのは最近のことです。それにもかかわらず、すぐには崩壊しそうにないのは、北朝鮮の存続に安全保障上の国家的な利益を見出している複数の周辺国がいるからでしょう。日本外交はこのきびしい国際政治の現実を直視しながら、北朝鮮に対する対応を考えなくてはなりません。
これからの日本外交は、日米同盟を基軸としながらも、極東国際政治を構成する主要国との協調によって、新しい国際秩序を構想し、その実現をめざすべきです。
著書・論文紹介
『戦争調査会』
(講談社、2017年)
『終戦後史 1945-1955』
(講談社、2015年)