教員紹介

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佐藤 雄介 准教授
SATOU, Yusuke
日本近世史

■略歴 

1980年 東京都に生まれる。

2011年 東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学、日本学術振興会特別研究員PDを経て、7月より東京大学史料編纂所助教。

2018年 学習院大学史学科に着任。

■研究テーマ・分野

 江戸時代の政治史、具体的には天皇・朝廷に関するもの・幕政史・財政史といったところが私の主要な研究テーマになります。卒業論文以来、江戸時代の天皇・朝廷は財政面でいかにして成り立っていたのか、また、それに江戸幕府はどのように関与していたのか、といった点を追究していましたが、その過程で上記のようなテーマも考えなければならないと気が付き、現在研究を進めています。
 江戸時代の天皇・朝廷の成り立ち、幕府と天皇・朝廷との関係(=朝幕関係)を財政面から分析するというテーマに関しては、最近『近世の朝廷財政と江戸幕府』(東京大学出版会、2016年)という本を出しました。江戸時代の天皇・朝廷は、幕府からの財政保証や支援で成り立っていたこと、そのための仕組みも徐々に整えられていったこと、保証や支援のあり様には種々の変化があったことなどを明らかにし、そこから当該期の天皇・朝廷の特質や朝幕関係の実態などを考えました(その一部は、エッセイ「財政から考える江戸幕府と天皇」東京大学史料編纂所編『日本史の森をゆく』中央公論社、2014年でも紹介しています)。

■主要業績

【著書】

2016

 

【研究論文】

(査読有)

2019年

2014年

2011年

2009年

2008年

2007年

 


 『近世の朝廷財政と江戸幕府』(東京大学出版会)


 

 

「近世後期の公家社会と金融」(『日本史研究』697)
「近世女院御所の財政運営」(『日本歴史』791)
「近世後期の朝廷財政と京都代官」(『歴史学研究』875)
「京都町奉行・京都代官と朝廷財政」(『史学雑誌』118−3)
「勅使馳走と幕府・朝廷・藩」(『東北亜文化研究』15)
「十八世紀の京都所司代と朝廷」(『論集きんせい』29)

(査読無し)

 

2019年

 

2018年

 

2016年

2014年

2013年

 

2010年

 

 

2010年

 

2008年

「近世後期・幕末の鷹司家貸付所名目金と心観院」(朝幕研究会編『論集 近世の天皇と朝廷』、岩田書院)
「上方大名松平忠房と寛文期御所造営」(牧原成征・木村直樹編『17世紀日本の秩序形成』、吉川弘文館)
「嘉永期の朝幕関係」(藤田覚編『幕藩制国家の政治構造』、吉川弘文館)
「江戸幕府と朝廷財政」(『歴史評論』771)
「口向役人不正事件と勘定所」(『東京大学日本史学研究室紀要』別冊吉田伸之先生退職記念『近世社会史論叢』)
「近世の朝廷財政と実務役人」(『東京大学日本史学研究室紀要』別冊藤田先生退職記念『近世政治史論叢』、東京大学大学院人文社会系研究科・文学部日本史学研究室、別冊)
「十八世紀の朝廷財政と朝幕関係」(藤田覚編『十八世紀日本の政治と外交』、山川出版社)
「近世後期の朝廷財政と江戸幕府」、『近世の天皇・朝廷研究』1(第1回大会報告集))

 

【史料紹介

・小文等】

 

2019年

 

2017年

 

2015年

 

 

2014年

 

2013年

2008年

2009年

「皇位継承と天皇・公家の経済」(歴史学研究会編・〔編集責任〕加藤陽子『天皇はいかに受け継がれたか』、績文堂出版)
「近世中後期の武家伝奏の活動と幕府役人観」(日本史史料研究会監修・神田裕理編著『伝奏と呼ばれた人々』、ミネルヴァ書房)

「「三条家」文書中の近世朝廷財政史料について」(『史学雑誌』124−3)
「財政から考える江戸幕府と天皇」(東京大学史料編纂所編『日本史の森をゆく』、中央公論社)
近世経済史料研究会「天保期幕府財政の新史料(一)・(二)」(『三井文庫論叢』47・48、2013)
「朝廷の経済」(深谷克己・須田努編『近世人の事典』、東京堂出版)
女院御所研究会「平松時行『女院御用雑記』(宝暦三年)―翻刻と解題―(一)・(二)」(『論集きんせい』30・31)

■趣味 

サッカーとフットサルが好きです(下手のなんちゃらですが)。食べることも好きなので、目白近辺をいろいろ開発しようと思っています。温泉旅行も好きです。

■私のゼミ(学部)で学ぼうとする皆さんへ

 私は今年4月に、東京大学史料編纂所から本学史学科に移ります。史料編纂所は、前近代の日本史に関する史料を収集・研究し、史料集を作ることをおもな業務としている機関です。在職中は、国内外の史料調査にしばしば参加し、得難い経験をさせてもらったので、ゼミや講義に活かしたいと考えています。皆さんと一緒に、いろいろと学び、成長していきたいと思っています。
 学術論文を書く時、さまざまな関連するほかの人の研究(「先行研究」と呼びます)を読んで、自分なりに課題や仮説を設定します(すこし幅をひろくとった方が良いかと思います)。そのうえで、関係する史料をいくつも探し出し、それらを読み込んで事実を明らかにし、論点や疑問点を考え、そこから結論を導き出します。これらはいずれの過程も大事で、先行研究を正しく評価できなければ、的外れな課題設定をしてしまうなどの問題が生じます。関係する史料がなければ研究は進みませんし、史料を見つけても、それらをきちんと読むことができないと意味がありません。「先行研究と向き合う」「史料を探す」「史料を読む」ことは歴史学にとって、非常に重要なことですし、その分難しい問題でもあります。
 と、このように書くと身構えてしまうかもしれませんが、特別なことを言っているわけではありません。歴史学を学ぶ学生は、こういった能力をゼミや講義、日々の学びの中で獲得し、卒業論文を書いて卒業していきます。訓練と自分の意思次第で徐々にできるようになりますし、そうすれば、先行研究と向き合うこと、史料を探し、読むことがどんどん面白くなっていきます。主体的に問題を設定できる能力、情報との関わり方、知的体力など、種々の力も自然と身につくかと思います。私自身精進が足りませんが、研究をすることの意義や面白さ、難しさを皆さんとすこしでも共有し、ともに学んでいければと考えています。

■私のゼミ(大学院)で学ぼうとする皆さんへ

 大学院ゼミでは、参加者各人が個々の興味関心にもとづいた研究発表を複数回行います。たがいの研究に興味を持ち、討議の場では、積極的かつ自由に意見をたたかわせることで、史料の読解力・思考力・討論能力など、さまざまな研究者としての能力が磨かれていきます。場合によっては、近世政治史の史料講読なども行いますが、基本的には研究発表が中心となります。
 なお、報告・討議に際しては、とくに史料の読みにこだわりたいと考えています。史料というものは、時にさらっと読んでも、それなりに理解できた気になってしまうものです。しかし、そのような淡白な読み方は、解釈上の大きな間違いにつながります。十分な史料批判を行ったうえで、一言一句にこだわって、正確に史料を読む、というのが研究者にとって、もっとも必要で基礎的な能力だと思っております。最低限そのような能力は獲得できるゼミにしたいと考えています。
 また、見聞を広めるためにも、適宜博物館などの展示の見学や、各地の巡見なども行う予定です。

Key words: the Edo period, the relations between the Imperial court and the Shogunate


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