中野 貴文(NAKANO, Takahumi) 教授■略歴1973年生まれ。県立山口高校卒業。東京大学文学部卒業。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。同博士課程単位取得満期退学。日本学術振興会特別研究員(PD)、熊本大学教育学部准教授、東京女子大学現代教養学部准教授、教授を経て本学科へ。 ■専門分野 日本の中世文学 |
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[担当授業(2024年度)] |
日本文学演習(院):『徒然草』精読 |
[主要著書] | 『大学生のための文学レッスン 古典編』(共著、三省堂、2010) 『徒然草の誕生−中世文学表現史序説−』(岩波書店、2019) 『女学生とジェンダーー女性教養誌『むらさき』を鏡として』(笠間書院、2019) |
[所属学会] | 中世文学会 説話文学会 日本文学協会 |
■研究分野日本の中世文学、中でも『徒然草』を中心に研究を進めてきました。『徒然草』は、実に不思議な作品です。世の中に対する様々な私見の披歴、有職故実の紹介、僧侶の失敗を中心とした滑稽譚等々、内容は極めて多岐にわたり、文体もそのつど変化するなど、多様性は他の追随を許しません。仮面をかぶっているかの如く変化しながら、ときに諧謔を交えつつ、ここぞとばかりに実に「ウマい」言い回しで的確に表現してくる書き手の有り様は、本当にそれまでのどんなテクストとも似ていません。兼好は、なぜこのような書記行為に及んだのでしょうか。彼を衝き突き動かしたもの、モデルとなったものは何だったのでしょうか。それらの疑問を、中世文学史の史的な動態の中から見出したい、そう思って研究を続けています。■私の授業授業において、主役は常に学ぶ側であるべきです。学習者が個々の関心に基づき、時に授業の流れから逸脱し、考究を深めてこその大学教育だと思っています。教員はむしろ、複数の学生がそれぞれの関心で動いている教室というカオスな劇場を適切に裁く、演出家あるいは審判に近いでしょう。ですから、教員が目立つ授業にだけはしたくありません。サッカーでレフリーがゴールを決めたら白けますよね。具体的には、演習形式の授業では発表する担当者はもちろん、発表を聞く側の学生にも、積極的な参加を求めます。他者の発表を聞いて、何も質問をしないというのであれば、授業に来た意味が無いというものです。また講義形式の授業においても、可能な限り発言を求めます。常に対話の中から、授業をともに作り上げていきたいと思っています。■趣味朝美絢、池田貴史、大泉洋、げみ、小林賢太郎、志村正彦、高橋留美子、空知英秋、中村憲剛、ナンシー関。以上、好きなアーティスト・表現者を10名列挙してみました。 |