前田 直子(MAEDA, Naoko) 教授■略歴1964 年、静岡県生まれ。東京大学文学部(言語学)卒業、東京外国語大学大学院外国語学研究科修士課程(日本語学)修了、大阪大学大学院文学研究科(日本学:現代日本語学)修了。博士(文学)。東京大学留学生センターを経て、 2002年4月より本学助教授、2008年4月より本学教授。 ■専門分野 現代日本語学(文法) |
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[担当授業(2024年度)] |
日本語学演習(院) : 他動性構文および他動詞の意味的・文法的分析 日本語学講義TD : 日本語学・言語学・日本語教育の基礎 日本語学演習 : 現代日本語の文法研究 日本文法 : 日本語文法の基礎 現代日本語研究V :現代日本語の文法 |
[主要著書] | 『日本語学の教え方−教育の意義と実践』(共著、くろしお出版、2016) 『世界の日本語研究と日本語教育 ビジネス日本語教育の展開と課題』(編著、ココ出版、2015) 『日本語複文構文の研究』(編著、ひつじ書房、2014) 『図解 日本語の語彙』(共著、三省堂、2011) 『日本語の複文―条件文と原因理由文の記述的研究』(くろしお出版、2009) 『「ように」の意味・用法』(笠間書院、2006) 『敬語を中心とした対人関係の表現―待遇表現―』(共著、スリーエーネットワーク、2003) 『やさしい日本語のしくみ』(共著、くろしお出版、2003(改訂版、2020) 『日本語セルフマスターシリーズ7 条件表現』(共著、くろしお出版、2001) 『日本語学入門』(放送大学2020、分担執筆) 『日本語受身文の新しい捉え方』(共著、くろしお出版、2022) |
[所属学会] | 日本語学会/日本言語学会/日本語教育学会/日本語文法学会/関西言語学会 |
■研究分野私が日本語に興味を持ったのは中学生のころでした。初めて外国語(=英語)を習い始め、同時に国文法と呼ばれる日本語の文法について学んだとき、両言語の学習を通して言語の持つ規則性・体系性に魅せられたのが最初です。将来は言語に関わって仕事をしたいなと思い、「日本人が英語を学ぶのだから外国人の中にも日本語を学ぶ人がいるに違いない!」と単純に考えて、そういう職業があるとはまだ知らなかった頃から日本語教師になろうと思っていました。そのためには日本語について深く学ばねば…と思い続けて、大学・大学院に進み、10年間の学生生活、そして9年間の日本語教育の経験を経て、今日に至っています。研究分野は現代日本語学のうち、現代語の日本語の文法、殊に複文の分野に興味を持ち、その文法的・意味的な分析と体系的な記述に取り組んでいます。複文には、例えば条件文、原因・理由文、逆接、時間、目的、様態など多くの種類があり、多彩な形式がそれぞれ独自の意味を表しています。それらの使い分けや、類似点・相違点などを、外国人にも理解してもらえるように、わかりやすく、かつ客観的・精密に記述・説明することが研究課題です。 ■私の授業「文法」というと「暗記もの」というイメージがある方に、現代語の文法とは私たちの頭の中にあるものであるということと、その規則性を見つけ出し、体系化する文法研究の面白さを、体感してほしいと思います。 頭の中にある、普段は意識しない「ことばについての知識」を掘り出すためには、実際の用例を集めて分析することも非常に重要です。演習(ゼミ)では毎年、1つのテーマを決めて、前半では、それについての専門書や論文を読み、基本的な知識を獲得するとともに、その分野ではまだ明らかにされていない問題点を探ります。そして、夏休みにはコンピュータを使って、そのテーマに関する用例を検索し、電子データ化して分析し、レポートを書くという課題を出しています。最近は書き言葉だけではなく、話し言葉からもデータを収集してもらっています。話し言葉を録音し、それを文字化して、書き言葉の場合と同様、分析するわけです。どちらも地道で大変な作業ですが、多種多様に雑然と存在していた用例の山が、自分なりの観点で切り崩され、まとめられて、見えなかった法則性が発見されていく過程の面白さを知ると、ことばの研究から離れられなくなるでしょう。■趣味趣味は、旅行(乗り物全般と高い場所が大好き)、スキー(最近は軽いスキーボードばかり)、水泳(バタフライできません)、ヨガ(DVDにて自己流)、温泉(露天で読書)。特技は早起きと地図が読めること(地図を眺めるのも趣味です)。 |