千野 裕子(CHINO, Yuko) 准教授■略歴1987年生まれ。女子中等科から大学院まで学習院育ち。川村学園女子大学准教授を経て、2023年より学習院大学文学部に着任。 主な著書・論文:『女房たちの王朝物語論』(青土社、2017)、「古典の翻案の可能性―実践者の立場から」(『中古文学』108号、2021)、「王朝の女房たちと万葉集」(『現代思想』47-11、2019)など。 ■専門分野 中古文学・王朝物語文学 |
|
[担当授業(2024年度)] |
|
[主要著書] | 『女房たちの王朝物語論』(青土社、2017) |
[所属学会] | 中古文学会 日本文学協会 物語研究会 |
■研究分野王朝物語文学の研究をしています。『狭衣物語』をはじめとする平安時代後期の作品に目を向けることが多いですが、『源氏物語』や、それより以前の作品である『うつほ物語』を対象とすることもありますし、最近は中世王朝物語にも射程を延ばそうとしています。 それぞれの物語文学からは、先行する作品を豊かに取り込んだうえで新たな創造をしようという営みが見いだせます。ひとつの作品に向き合うだけでは不十分であり、なるべく広い視野で文学史を見つめたいと考えています。 私は文学作品を読んだ時に、「よくできているなぁ」と感じる瞬間が大好きです。そういうわけで、これまで特に興味を持ってきたのは、物語文学において女房をはじめとする脇役登場人物たちがどのように機能しているかということで、そこからそれぞれの作品のよくできている≠ニころを物語文学史のなかから解き明かそうとしてきました。この関心は変わらずにありつつも、その反動でしょうか、最近は主要登場人物、特に男性主人公にしっかり向き合ってみたいと思い始めています……。■私の授業授業ではなるべく私自身がアツい!!≠ニ思える、新鮮なテーマを扱おうと思っています。もちろん私が熱くなっているだけでは何の意味もありませんので、講義であれ演習であれ、皆さんが頭の中を活発に動かして、積極的に意見を述べてもらえるように心がけています。どんな思いつきでもいいので言葉にしてみること、それが研究の第一歩にほかなりません。 研究対象となる作品に向き合っていると、分析の糸口がふとつかめる瞬間があり、そこからさらに考察を進めていくと、これは面白いぞ!! と、なんというか、アガる♀エ覚になることがあります。文学の研究を通して、皆さんにはぜひこのアガる♂感を味わってほしいのです。そのためには前のめりで臨むことが必須です。 なお、私の専門である王朝物語文学は、平安時代から南北朝の頃までおよそ500年の歴史があり、数多くの作品が残されています(もちろん、時の流れと共に多くの作品が失われ、いま私たちが読めるのは数多の作品のほんの一握りであるということも忘れてはならないのですが……)。なかには名前も聞いたことのないような作品もあると思います。そして、ナニコレ? と思いながら読んでみたら、ものすごく面白かったということもあるはずです。情熱をもって向き合えるような、〈運命の作品〉に出会ってもらえたら嬉しいです。■趣味いろいろなことに興味は持ちますが、あまり長続きしません。沖縄の海が好きでスクーバダイビングを始めたものの何年も潜っていなかったり、急にバイクに乗りたくなって免許を取ったもののほとんど乗っていなかったり……。 そんななかで唯一長続きしているのは日本舞踊でしょうか。本学在学中、部活(国劇部)のOGの先生のもとに弟子入りして今も続けています。 |