本専攻では、講義や演習などと並行して、多彩な研究・教育活動が展開され、大学院生はこれらに参加しながら専門的知識や経験を充実させていくことができます。その一端を紹介しましょう。 |
学習院大学哲学会
本学会は哲学科及び哲学専攻・美術史学専攻の在学生、卒業生、専任教員を会員とする学会です。主な活動は、総会及び会員による研究発表会、本学教員ないし招聘講師による公開講演会です。年に二回の大会が開催されています。以下は、特に哲学専攻に関わる近年の発表と講演の題目です。 |
〈研究発表題目〉 (平成20年度)「『維摩経』における空と慈悲」「ロマン派絵画にみるカントの「崇高」」「ホメロスにおける魂について」「『判断力批判』における生命と物質の境界について」「キェルケゴールにおける「実存」への問い直し」 (平成19年度)「L・T・ホブハウスの「観念論的国家論」批判について」「鎌倉期における禅宗批判の一様相~『野守鏡』の禅宗批判と、禅宗導入期における「心」をめぐる問題~」 (平成18年度)「『メノン』における想起説とソクラテス」「世阿弥の〈息〉について」 (平成17年度)「空海の法界観について」「ヘーゲル『精神現象学』における「概念の努力」について」 (平成16年度)「凡夫と如来についての考察」「『存在と時間』における「語り」概念を巡る一考察」 |
〈公開講演会〉 (平成21年度)小島和男氏(本学准教授)「プラトンの哲学とテキスト-いかだ・飛び火・魅惑の歌」 (平成19年度)神崎繁氏(専修大学教授)「古くからの哲学と詩の争い―哲学者による「詩」の利用をめぐって―」 (平成17年度)末木文美士氏(東京大学大学院教授)「日本宗教/思想史の可能性―〈古層〉の形成とその「発見」」 (平成16年度)下川潔氏(本学教授)「ジョン・ロックと「私だけが所有するもの」」 (平成15年度)杉山直樹氏(本学教授)「自然、身体、そして恩寵―ラヴェッソンの幸福な形而上学について」 |
同時に学習院大学哲学会は学会誌『哲学会誌』を毎年刊行しており、そこには教員だけではなく、大学院生による多くの論文が掲載されています。 また『哲学会誌』とは別に、院生のための論文発表誌として『学習院大学 人文科学論集』が年一回発行されており、ここでも自分の研究成果を公表することができます。 |
学会活動
本専攻の教員はいずれも、それぞれの専門分野で重要な役割を担っている研究者です。そのため、学習院で開催される学会は少なくありません。本専攻教員がこれまでに開催を引き受けた学会としては、日本哲学会、実存思想協会、西洋古典研究会、日仏哲学会、ベルクソン哲学研究会、ショーペンハウアー協会関東地区例会等があります。 また本専攻教員が中心となって主宰し、本学において随時開催している研究会としては、日本思想史研究会、西田哲学研究会、ジョン・ロック研究会、ヒューム研究学会、三宅アーベント等があります。 |
海外との交流
本専攻教員の意欲的な海外出張は言うに及ばず、来日した外国人の講演会やセミナーも活発におこなわれています。特に近年では、以下の講演会が学内で催されました(2000年以降): ハンス‐ライナー・ゼップ氏(プラハ・カール大学理論センター主任研究員兼講師)「文化の現象学」 ジャネット・ロイド氏(ギリシャ、ラテン関係学術書翻訳家)「ギリシャ悲劇の女性像」 ジェフリー・ロイド卿(ケンブリッジ大学名誉教授、ニーダム研究所所長、前ダーウィン・コレッジ学長)「古代ギリシャにおける生命科学」 ゲオルグ・シュテンガー氏(ヴュルツブルク大学講師)「翻訳することの現象学」 クラウス・ヘルト氏(ヴッパータール大学名誉教授)「希望の現象学の試み」 ジョン・ディロン氏(ダブリン大学トリニティーカレッジ教授)“PLATONISM AND THE WORLD CRISIS” ハンス・ポーザー氏(ベルリン工科大学名誉教授、ライプニッツ協会副会長)「ライプニッツとドイツ啓蒙主義の倫理学」 ハンス-ヘルムート・ガンダー氏(フライブルク大学哲学科教授、フッサール・アルヒーフ所長)「生活世界の現象学-フッサールとハイデッガー」 また、本学客員研究員としてアメリカ、ドイツ、フランスなどから第一線の研究者が来日し、「現象学的方法による文化及び間文化に関する研究」、「西田哲学と京都学派の研究」、「フランスにおける西田哲学の受容」「プラトン哲学とミュートス」「西田幾多郎によるベルクソン読解」といったテーマで本専攻教員との共同研究に従事し、大学院生とも学問的交流を深めました。最近では「ベルクソン『創造的進化』刊行100周年記念国際シンポジウム」も開催されています。 |
![]() ![]() 海外の研究者を迎えての講演会 |
近年における学会発表、論文発表状況
当然ながら大学院生は研究者として学会や研究会等で研究成果を発表することを推奨されています。在籍中の大学院生ならびに近年の卒業生による主な活動は次の通りです。 2007年 2006年 2005年 2004年 |