スタッフ紹介

小口康仁 (こぐち やすひと)
KOGUCHI Yasuhito
助教

小口康仁

■自己紹介

 戦国合戦図研究を中心に江戸絵画の研究に取り組んでおります。戦国合戦図とは、戦国武将たちのいくさを描く作品群の総称で、画題には、川中島、姉川、長篠、耳川、賤ヶ岳、長久手、文禄慶長、関ヶ原、長谷堂、大坂冬の陣、大坂夏の陣、島原などが認められます。このテーマは、戦国史や軍記文学を扱う文献史学や国文学との共同研究となることが多く、学際的な視点を持ちながら分野を越えた様々な論考に学ぶ意味でも、とても面白い研究対象と考えています。

 最近では「下絵」にも目を向けて取り組んでいます。下絵の魅力は、本画まで至らなかった作品があることや、絵師が制作の過程で試行錯誤した痕跡が観られることです。

 もう1つ最近関心を持っているテーマは、江戸時代後期の狩野派についてです。狩野晴川院養信『公用日記』を通して、幕府機構内における奥絵師の活動はいかなるものであったのか。先行研究に学びつつその実態をさらに明らかにすることに努めております。

 研究に取り組む姿勢としては、第一に作品を観察することを考えています。その際には自身の指標を基に分析的に観ることだけではなく、あえて肩の力を抜いて見ることも心がけています。そういった時にこそ、素朴で純粋な問いかけが生まれてくると思います。

■論文など

・「【虚像編】徳川家臣団(四天王を中心に)」『家康徹底解読』(文学通信、2023年) 

・「渡辺美術館本「曾我物語図屏風」の人物描写に関する一考察-右左隻の面貌表現を比較してー」『哲学会誌』第46号、佐野みどり教授退職記念特集(学習院大学哲学会、2022年) 

・「「長篠合戦図屏風」の展開-「東京国立博物館所蔵下絵」にみる武勇の絵画化」『合戦図-描かれた<武>』(勉誠出版、2021年) 

■趣味

博物館見学、城・温泉めぐり、野球観戦、日本酒

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