学習院大学の就職力
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11チームでものごとをうまく進められるか、つまり、協調性が求められる傾向が顕著になっている。グループディスカッションで他者の意見を引き出せなかったり、まとめられなかったチームは、全員落ちることもあるという。そういった企業ニーズをしっかり把握しているのは、企業の最前線に立っているOB・OGだからこそといえよう。「『過去の最大の失敗を教えてください。そこで、あなたはどう考え、その局面をどう乗り越えていったのかを教えてください』といった質問をエントリーシートで聞かれたことありますよね? なぜ、企業はそんなことを聞くのか? その狙いを考えてみてください。皆さんが、会社に入って仕事をするようになれば、いろいろなトラブルに遭遇するでしょうし、今の時代、どんな会社でもさまざまな経営的危機に直面しています。そんな局面で、トラブルや危機を前向きに乗り越えていってくれるような人かどうか、それを企業は知りたいと思っているわけです」 と、エントリーシートの質問に隠された企業の狙いを解説してくれる講師もいる。実に具体的でわかりやすいアドバイスだ。企業側の狙いがわかれば、対策しやすくなるのはいうまでもない。 また、セミナーの合間合間には、 面接は事前に提出した履歴書に沿って行われる。講師は前もって履歴書を念入りに読み、細部に至るまでアドバイスを赤字で書き加えてきている。見れば履歴書は真っ赤。社会人の目から見れば、学生の履歴書にはこれだけ隙が多いということ。まずはそれを痛感させるところからすべてがはじまるのだ。添削で真っ赤になる履歴書 「自己PRを兼ねた自己紹介をしてください」。予想していた質問ですら緊張で満足に返答できない。畳みかけるような鋭い質問が飛び、学生の心を揺さぶる。「自分の欠点は?」「その具体的なエピソードは?」「自分を一言で言うと?」「家族からはどういう性格だと言われますか?」。その場しのぎで取り繕っても、メンタイ講師は見逃さない。さらに鋭い突っ込みが入り、自己分析の未熟さをどんどん浮き彫りにしていく。 「自分を車の部品に例えると?」……学生の言葉が完全に止まった。決して奇をてらった質問ではない。面接官は意地悪とも思える質問を投げかけ、思わぬ事態に遭遇した時、どう対処するのかを見ているのだ。メンタイはそんな面接試験の厳しい現実を突きつける。厳しい質問続出。早くもパニックに 20分の面接が終わると講評の時間。学生は「自信のなさが伝わってくる」「会話のキャッチボールができていない」などの指摘の中から、具体的で前向きな解決法をアドバイスされる。 講師・サポーターからだけでなく学生同士で講評し合うのも特徴だ。他の人の良いところ、悪いところを観察することで、自分の姿を客観的に見つめられることになる。他人の面接時間とはいえ、一瞬たりとも気が抜けない貴重な学びの時間なのだ。学生同士のアドバイスも成長の仕組み メンタイでボロボロにされたのは今年の学生と同じですが、メンタイを経て、面接はお話会のようなものと肩の力が抜け、楽しめるようになりました。 1月中は企業の説明会を回り、気づいたことは、どんなに眠くてもその日のうちにエントリーシートにまとめるようにしていました。それを先輩に見てもらい、その指摘を踏まえてさらに修正することを繰り返してエントリーシートのレベルを高めました。 4月からは面接ラッシュで、1日3社は当たり前のように回っていました。場数を踏んで、相手を得意な話に引き込める戦略的なエントリーシートの書き方や話し方を覚えると、ぐんと有利になります。 就活の中では、熱望していた企業に落ちて、泣くほど悔しい思いをしたこともありました。それでもめげない気迫が伝わり、内定を獲得できたのだと思います。必死に、それでいて楽しんで就活に臨んでほしい、そんなメッセージを後輩に伝えています。サポーター(4年生)の声法学部 法学科4年小松 瞬さん生命保険会社内定メンタイで、面接が楽しくなります
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