学習院大学の就職力
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12質疑応答の時間が設けられている。そこで、学生たちは、口々に就職活動における不安や疑問を先輩たちにぶつけられる。先輩×後輩という関係がそうさせるのか、ここではなんでも聞けるというなごやかな雰囲気がある。先輩たちも、後輩たちの質問に一つひとつ誠実に答えていく。彼らとて、かつて学生たちと同じような壁にぶつかり、それを乗り越えてきた経験がある。それだけ、悩みに対する回答にも実感がこもり、かつ、的確なアドバイスとなる。わずかな時間とはいえ、話題は何のために働くのかという仕事観や人生観にまで広がり、突っ込んだ意見交換に発展することもしばしばだ。OB・OGが手作りで作り上げたプログラム「メンタイ」 このセミナーをより効果的なものにするために、OB・OG講師たちは半年も前から準備をしている。リーダー格のメンバーは、定期的に大学に集まり、協議を重ねた。「前年のメンタイに参加した学生の声や要望を参考に、卒業生がこうしたほうがいいのではないか、ああしたほうがいいのではないかと議論しながらプログラムを考えています。時勢や学生のニーズに合わせて、毎年毎年アレンジが加えられ、進化し1日目の反省を踏まえて、明日に備えます経済学部 経済学科3年韓 旻京さん 自己分析の甘さは自覚していたのですが、案の定そこを突かれてしまいました。いろいろな質問を想定して返せるように対策を練るよりも、自分の話したい軸を固めることのほうが重要だと気づきました。もっとテーマを絞ってそれぞれを掘り下げる方向で、今晩、自己PRを考え直します。学生の声 約3時間に及ぶ個人面接練習の次は集団面接だ。複数人の中で自分をアピールしなければいけないという、個人面接とは一味違った雰囲気にとまどう学生。緊張に次ぐ緊張に疲れはピークに達しはじめている。しかし、一度面接を経験し、へこまされた学生の中にはすでに闘志を燃やし、うっすらと余裕すら感じさせはじめた学生もいる。緊張は続く。集団面接で自分をアピール19:0019:00~ 講師たちの反省会 1日目終了後、講師たちは全員が集まって反省会。一日を振り返り、課題などを共有し、翌日に備える。その後も懇親会などで交流を深めるなど、OB・OGたちは、学生以上に夜遅くまで活動していた。
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