学習院大学の就職力
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15アルやハウツーを教える場所ではないということを表している。いまどきの学生は、何かとマニュアル頼りになりがち。しかし、メンタイは答えを出してやるのではなく、自分の頭で考え、自ら行動を起こすことの大切さを伝えよう、という理念が込められているのだ。「就職は、自分に合った企業や職種と出会うことがとても重要。それでこそ、幸せな就職や充実した人生につながるはずですよね? そして、それは、受け身ではなく、学生一人ひとりが行動することで、発掘し開拓していかなくては見つけられないものです。ですから、メンタイでは自分で考え、行動することの大切さを自覚してもらうことを何より重要だと考えています」(淡野さん)仲間と応援者を得て、学生たちは就活に前向きに 2日間、朝9時から夕方まで、みっちり先輩たちにもまれた学生たちの顔つきは想像以上に変化した。覚悟ができたとでも言おうか、挑戦者の表情がそこにはあった。「自分たちのために、これだけの先輩たちが集まって、ここまでしてくれる。とても恵まれていると思いますし、自分たちを応援してくれている先輩たちがいるのはとても励みに 学生たちも真剣そのものだが、講師も気の抜けない時間が続く。立ち居振る舞い、表情、言葉の選び方、話の流れや組み立て方など、ささいなマイナスポイントも見逃さない。 「面接官は、あなたの能力と志望する会社が合っているかを見ているんです。志望動機と自己PR、やってきたことが混然一体とならなくてはいけない。なぜその質問をされたのか、とことん突き詰めてください。意図がわかれば、答えるべきことにブレは生じません」(2005年卒 渡邉賢 メーカー勤務)と、さすがに社会の第一線で活躍するOB・OGのアドバイスは具体的かつライブ感いっぱい。 留学生に対して、就職面接では留学生ならではの質問が多く投げかけられるので、独自の対策が必要といえる。また、理学部の場合は大学院に進学する学生も多いため、修士課程院生向けの班も編成されている。「模擬面接では、専門用語を使いすぎたようです。最初のうちは人事担当者が面接することも多いので、相手に自分の専門性をわかりやすく説明することが必要だとアドバイスされました」(理学部修士課程1年の男子学生)先輩のアドバイスに多くの気づきを得る「留学生」や「理系大学院生」は、特別班を編成し、独自の対策 日本の採用事情についてほとんど知識がない留学生は、しかるべき対策を練らないと日本人学生と同じ土俵に立つことすらできません。そんな自分の置かれた立場を明確にし、就活の方向性を示してくれたのがメンタイでした。その経験を後輩に伝えるために講師として参加しています。個別での相談にも乗っていますが、緊張感あふれる中での指導は学生を大きく成長させると感じています。メンタイを通して築いた学生とのネットワークを生かして、できるサポートはなんでもしていきたいと思います。留学生には独特のノウハウがあるんです。それを知ってもらいたい夏 天さん2011年卒 専門商社勤務OB講師の声COLUMN

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