学習院大学の就職力
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22 卒業生が後輩に面接指導をするというスタイルで脈々と受け継がれている「メンタイ(面接対策セミナー)」は、学習院大学の同窓会組織である桜友会がOB・OG講師を組織化し、大学と連携して運営している。その伝統の力について、桜友会メンバーに伺った。卒業生の母校に対する愛情が支える「メンタイ」キャンパスに1学年約2000人というほどよい規模のなせる業ではないかと思います。 メンタイの第1回が行われたのは1991年のこと。講師6人、受講学生45人からのスタートでした。その規模は加速度的に拡大し、現在、受講学生は1300人を超え、まさに全学的な取り組みに発展しています。 メンタイに臨むには、指導する卒業生も勉強が欠かせません。企業の採用に関する情報収集やより良い指導方法の研究を続けるなど、後輩たちがさらに成長できるようにと、講師としての質を高める努力をしています。 「メンタイ」こと、面接対策セミナーは、就職活動に入る3年生を卒業生が講師として指導するという、他に例のないイベントです。講師を務める卒業生はすべてボランティア。つまり、母校に対する愛情によって支えられているのです。これこそ我が校・学習院の伝統の表れと自負しています。 卒業生同士、そして、卒業生と在校生の親密さを育んでいるのは、ワン桜友会会長内藤賴誼 氏 私は、桜友会の一員としてメンタイに関わって14回目になります。昨年は、プロジェクトマネージャーとして関わり、今年は統括という立場で関わっています。 メンタイは、400人を超えるOB・OG講師、サポーターと1300人もの学生が参加する巨大なセミナーです。これを無事に成功させるために、約30人の実行委員会を組織し、プログラムの策定や運営を行うのがプロジェクトマネージャーです。 一方、統括は、同窓会組織である桜友会の立場でメンタイ講師の人材確保や組織化を行っています。回を重ねるごとに参加する卒業生の数は増えています。メンタイに参加した卒業生が卒業生に声をかけ、その輪がどんどん広がっています。本番は、たった2日間ではありますが、学生の成長ぶりには目を見張るものがあり、指導する講師にとっても大きな達成感となっています。その喜びが忘れられず、来年も、そしてまた、その翌年も参加したくなるという不思議なモチベーションになっています。 6年前から就職活動を成功させたばかりの4年生がサポーターという立場で加わっています。これも我が身の成功は先輩のおかげという思いを強くする学生が多い証しで、すぐさま後輩に恩返しをと参加してくれています。そうした循環によって支えられているのがメンタイ、これぞ、学習院の伝統の力だと思います。桜友会常務理事/メンタイ統括松浦 理 氏一度参加したら、次も来たくなる。不思議な達成感がセミナーを支えていますまつうら おさむ1960年東京都出身。83年学習院大学法学部法学科卒業。大手百貨店人事部などを経て、2004年レディースファッション専門店入社。人材開発室次長を経て、06年人事部部長。ないとう よりよし1935年東京都出身。幼稚園から高等科まで学習院で学び、早稲田大学政治経済学部へ。卒業後、朝日新聞社入社。政治部記者、ニューヨーク支局長、アメリカ総局長などを歴任。2007年から学習院桜友会会長。 我が 学習院スピリット

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