学習院大学の就職力
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26討論型プログラムでプレゼンテーション力を高める 学習院大学キャリアセンターが開催している就活生向けの就職支援プログラムには、いくつかの特徴がある。 ひとつは、学生との質疑応答やディスカッションをふんだんに取り入れている点だ。 「以前は、学生は座ってただ聞いているだけの講義型のものが多かったのですが、現在は、ほとんどが討論型のプログラムです。自ら発言しなければならない場を設けることで、就職や将来のことを自分の問題として主体的に考えられるようになります。また、面接では、自分のいいところをうまく相手に伝えなければなりませんから、そうしたプレゼンテーション力を高めることも狙っています」(同・瀬谷部長) たとえば、「隣の人と向かい合って、互いに自己紹介してください」「仕事の良い面、悪い面について4人チームになってディスカッションして、その内容、結論を発表してください」「金融業界の良いイメージ、悪いイメージについて発表してください」など、さまざまな形が取り入れられている。 同じ学習院大生といっても、これまで話したこともない、たまたま隣り合わせた人に自己紹介してください、と言われて即座に対応するのは就活生でなくとも難しいもの。何より、自分をどう語ればいいのかとまどってしまうのも無理からぬこと。しかし、回数を重ねることで、自分をどう表現すればいいのかというテクニックが身につくのだという。「臆することなく、知らない学生に声をかけられるようになったり、知らない学生同士で議論できるようになります。学生が一歩踏み出す瞬間ですね。企業の採用現場でも、人と協力する姿勢を見るためにグループディスカッション型の面接が増えていますから、こうした討論型のプログラムは、実践的な面接対策としての意味もあります」(同・瀬谷部長) また、キャリアセンターでは、学生一人ひとりにきめ細かいサポートができるように、少人数のプログラムも多く取り入れている。3年次の10〜11月に開催される「就職いろは塾」は、就職活動に対する学生たち「討論型」「少人数」「OB・OG連携」でアピール力が身につく就職支援プログラム就職いろは塾就活入門ワークショップ。学生一人ひとりの質問に答えるために1グループ8人の少人数制。多くの学生に参加してもらうために10~11月にかけて、約19回開催。業界研究ワークショップ3年次10月に開催。およそ20業界のOB・OG講師が招かれ、どんな業界があり、それぞれの業界がお互いにどんな関連性を持っているかなどについて語り、理解を深める。人事経験者パネルディスカッション3年次11月開催。採用担当の経験のあるOB・OGが講師となり、人事の立場から「求める人物像」や面接官の心理、質問に隠された狙いなどをざっくばらんに話してくれる。
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