学習院大学の就職力
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27のあらゆる疑問に答えようという趣旨で行われているもので、1グループ学生8人という少人数が特徴。 「これは就職活動をはじめるに当たっての入門的なプログラムで、いつからどんなことをはじめればいいのか、自己分析や業界研究はどんなふうに進めていけばいいのか、服装や身だしなみはどうするのかなど、学生の質問一つひとつにキャリアセンターの職員が答えていくというものです。少人数ですから、キャリアセンターの職員との距離が近くなる分、担当した職員を頼って多くの学生がキャリアセンターを訪ねてくるようにな辞退するためにはどのようにすればいいのかという声があがることもあります」(キャリアセンター・横溝満雄さん) 企業の採用動向は毎年変化するだけに、キャリアセンターでは、毎年プログラムのあり方を見直すのはもちろん、日々の学生の状況や要望に応じて、臨機応変に対応している。 それでも顔の見える距離と人のぬくもりを感じさせるサポート体制の基本が変わることはない。そうした姿勢が学生との絆を強固なものとし、学習院大学の就職力につながっているのだろう。ります」(キャリアセンター・及川清治さん) OB・OGとの連携プログラムで実践的な就活指導 さらに、OB・OGとの連携したプログラムを多く開催しているのも特筆すべき点である。業界や職種についての理解を深める「業界研究ワークショップ」「職種研究ワークショップ」、企業が求める人物像について研究する「人事経験者パネルディスカッション」、学生の強いニーズがある業界に特化した「マスコミ・広告セミナー」「アナウンサーセミナー」など、すべて講師は現職のOB・OGたち。現役社会人の講義は、いわずもがな実践的で、学生にダイレクトに響く。また、めざす業界で活躍している先輩たちは、就活を成功させるための情報の宝庫であり、よきお手本となる。こうしたプログラムに参加してできたOB・OGとのつながりをその後の就職活動に有効に生かし、めざす業界・職種への就職を果たす学生は少なくないという。学生のニーズに合わせたミニセミナーを随時開催 キャリアセンターでは、企業の採用活動の流れに応じて、各種就職支援プログラムを年間で計画しているが、その他にも、日々、相談に来る学生の様子を見て、学生の状況や要望に応じて、ミニセミナーを取り入れている。 「自己分析が苦手という学生の声が多ければ、自分の性格や適性などを見極めるきっかけとなるカードゲームを取り入れたミニセミナーを開催。また、企業研究が進んでいない、どうすればいいのかよくわからないという学生の要望があれば、会社四季報の見方などを解説する企業研究ミニセミナーを開催することもあります。中には、内定を複数獲得した学生から、内定を 1月に開催された面接対策セミナー(P6~17で詳述)から約2か月たった2月下旬、そろそろ学生たちのモチベーションも幾分下がっているのではないか、そんな時期を見計らって開催されるのが「面接対策セミナーフォローアップ」セミナーである。参加学生は約100人。この日の講師は、仕事が終わって駆けつけたOB・OG5人である。 学生たちに向かって「モチベーションが下がっている人?」と問いかけると、ほとんどの学生が手を上げる。さらに、「今こんなことで悩んでいるとか、聞いてみたいことがある人?」の呼びかけにも、学生から次々と手が上がる。 「自分が今やっていることが、本当に正しい方向なのかという気持ちになってきた」「企業研究といっても数が多すぎて、どこから手をつけたらいいかわからない」など、学生たちが多くの問題を抱えていることが浮き彫りになっていく。その問いかけに講師たちは一つひとつ答えていく。「細かいことにこだわるよりも、軸をしっかりしたほうがいいと思う。就活を楽しむぐらいの気持ちで取り組んだほうがよい」「企業研究は、その会社が業界の中でどの位置を占めているのかをきちんとおさえておいたほうがいい。その会社が1年間出しているリリースに全部目を通してみると、企業の方向性がつかめると思うよ」 講師のアドバイスを学生たちは聞き漏らすまいと熱心に耳を傾け、どの顔にも生気がみなぎってきた。 「就活をはじめてから、孤独を感じ気分が落ち込んでいました。セミナーに参加して、悩んでいるのは自分だけではない、頼れる先輩がいると思い、とても前向きな気持ちになりました」(文学部哲学科の女子学生) 面接対策セミナーで学んだことを再確認できる機会として設けているのがこのフォローアップセミナーである。一度学んだことを自分のものにするのは、確かに時間がかかる。こうしたフォローの体制が用意されているのも、学習院大学の就職サポートのきめ細かさを物語っている。もう一度、原点に立ち戻ろう「面接対策セミナーフォローアップ」
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