学習院大学の就職力
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29添い、ときにはげきを飛ばして自信をつけさせ、就活に向けたモチベーションを奮い立たせている。学内企業説明会を実施しきめ細かく学生と企業をマッチング 学内に企業を招いて説明会などを開催し、学生が直接企業にエントリーする機会も豊富に用意している。約20社の企業を招く学内企業説明会は4回開催。こうした催しは、企業説明会と新卒採用の選考会を兼ねて開催されている。 「企業の採用の流れでいいますと、10月の内定式を節目に、足りない人員を補充しようと、大学には追加の求人が寄せられます。採用人数は多くはありませんし、求める学生像に条件がある場合もありますが、合同で開催する学内企業説明会の他に個別企業説明会をトータルで数十回にわたって実施し、細かく学生とのマッチングを図っていきます」(同・淡野さん) そこで大事にしているのが学生本人の意向。キャリアセンター職員が一人ひとりと面談し、その志望や適性を把握した上で、選考会へのエントリーを促している。「ただ就職先を見つければいいというものではありません。学生にとって就職は一生に関わる問題です。ですから、キャリアセンターでは、希望や適性に合った企業を学生と一緒に見つけようという姿勢で学生に向き合い、企業紹介をしています」 (同・瀬谷部長) キャリアセンターと学生が二人三脚で就職活動に取り組むことで、4年次の1〜3月の間に多くの学生が内定を獲得するという。 なかなか就職が決まらないことから、多くの大学で卒業延期学生が増加する傾向にあるが、学習院大学では卒業延期者は減少しているというから、それもキャリアセンターが学生とマンツーマンで取り組む就職支援の成果といえるだろう。「一昨年は卒業延期を許可された学生が93人いましたが、昨年は80人、今年は55人となりました。内定を早く決めても遅く決めても、4月に入社する時は一緒。ですから、最後まであきらめないことが重要なのです。学生にはこの言葉を、ことあるごとに言っています」(同・瀬谷部長) 3年次の2月から企業の説明会や筆記試験などには参加していましたが、明確な目標はなく、ただ出ているだけの状態でした。当然、そんな気持ちでは選考に残るわけもなく、手応えのないまま1年が過ぎ、4年次の1月を迎えてしまいました。この期に及んでも、就活に対する活力は湧いてきませんでしたが、このままでいても何も変わらないと、キャリアセンターを訪ねました。キャリアセンターの方から「何をしたいのか真剣に考えろ」と喝を入れられ、まさに目の覚める思いでしたね。それからは、正社員になることを目標にアルバイト経験のあった外食産業を中心に3週間で20社を回りました。結果的に、全国でチェーン展開している飲食店から内定を頂けました。 決まるのはぎりぎりになってしまいましたが、就職活動に後悔はありません。時間のない中で自分と向き合い、就活を乗り切った経験は、やろうと思えばできるんだという自信になりました。教授やキャリアセンターの方が歯に衣着せぬ言葉をかけてくれたことが、就職活動に立ち向かう覚悟を決めさせてくれたのです。就活に立ち向かうきっかけをくれました佐々木 亮さん飲食業界勤務文学部哲学科 2013年卒 就職活動の滑り出しは順調で、3年次の1、2月に最終面接までこぎ着けた企業もいくつかあったのですが、結局どの企業も内定には至りませんでした。そのうちに、選考は進むけれど内定が取れないという繰り返しに疲れ、4年次の夏には就職活動をやめてしまいました。 就活のことは頭から追いやり、4年次の1月までは何もしていませんでした。それでも、友人たちが行き先を決めている姿を見て、さすがに自らを奮い立たせ、まずは就活資金を貯めようとアルバイトを始めました。すると、そのアルバイト先から社員として働かないかという誘いがあったのです。あれこれ迷いはしましたが、そこへの就職を決めました。ちょっとしたアルバイトのつもりが正社員になり、晴れやかな気分で働きはじめたのですが、2か月もたたないうちに、会社があっけなく倒産。ショックで何もする気がおきず、暗い気持ちのまま3月20日の卒業式を迎えました。未来について語り合う友人たちの姿を見て、私は何をしているんだろうと思い、キャリアセンターに駆け込みました。もう無理だよと突き放されるだろうと半ばあきらめていたのですが、キャリアセンターの方は「全面的にバックアップするから」という言葉をかけてくれました。その一言で気持ちが楽になり、前向きに取り組めるようになりました。 もっとも4月まではあと1週間しかないという時期。焦らないというとうそになりますが、キャリアセンターの方が一緒に会社を探してくださり、就職先を見つけられました。同級生と同じように4月1日から働き始められたのは、「あきらめずにガンバレ」と応援してくださったキャリアセンターの皆さんのおかげです。「無理だよ」とは言われませんでした佐藤紀子さん広告業界勤務文学部哲学科 2013年卒

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