学習院大学の就職力
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33 保護者が大学生だった時代に比べて、今の学生は、とても厳しい就職活動を経験しています。就職活動を通して、学生は初めて社会と接点を持ち、社会の評価にさらされ、大人へと脱皮していく過程を踏んでいくわけです。しかし、うまくいく時ばかりではありません、内定獲得に至るまでは、数多くの失敗を経験することになります。そこで、学生は自分を否定された気持ちになって悩んだり、もうダメかもしれないと落ち込んだりすることもあるでしょう。そんな時に、我が子のことを一番よく知り、応援してくれる保護者の存在は学生にとって大きな心の支えとなるものです。そこで、キャリアセンターでは、保護者の方々にも今の就職活動の状況を知っていただくための保護者向けセミナーを開催しています。例年、600人もの保護者にご参加いただき、大きな反響をいただいています。 前職は、航空会社で客室乗務員として勤務する一方、地上勤務や新卒採用にも携わっておりましたので、そうした経験を生かして、学生のサポートにあたっています。航空業界というと、女子学生の憧れの仕事というイメージが強いかもしれませんが、男子学生が活躍できる場もたくさんありますから、そうした情報も学生にはしっかりアナウンスしています。 しかし、憧ればかりが強すぎては、仕事に就いてからミスマッチを起こす可能性もあります。ですから、仕事内容に関しての理解を促すとともに、本人の適性なども踏まえて指導しています。 身だしなみや所作については、その場になってできるものではありません。ふだんから意識しておくことが大切なので、常日頃から口うるさく言っております(笑)。また、今後は女子学生向けにメイク講座なども担当する予定です。 キャリアカウンセラーとして、日々、学生のさまざまな相談に応じています。相談の場に来て、自分のことを雄弁に語れる学生もいれば、内気でなかなか悩んでいることを口にできない学生などさまざまですから、それぞれの性格や個性に合わせて指導しています。 自分はどんな業界・職種に向いているのか? 企業研究といっても何をどうすればいいのか? 自分の強みとは何か? 面接で何をアピールすべきか? など、学生はさまざまな疑問や悩みにさいなまれるものです。そうした学生たちと何度も何度も対話を繰り返すことで、学生は向かうべき方向性を見いだし、主体的に就職活動に向かうようになります。その手助けをするのが私たち職員であり、キャリアカウンセラーですから、学生にはどんどん活用していただきたいですね。 就職活動は3年次からその準備がはじまります。といっても、3年次はもっとも学生生活が充実する時期でもあります。部活に入っている学生であれば、いよいよ自分たちが活躍できる学年だという思いがありますし、学問の面でも専門のゼミが本格的になっていきます。就職活動のために学生生活を犠牲にするのは本末転倒ですから、まずは、学生には勉強も部活も思う存分やりなさい、それと並行して、自分の強みや将来についても意識してみてくださいと話しています。つまり、今打ち込んでいることは、自分にとってどんな意味を持つのか、自分にとってどんな喜びがあるのか、自分はどんな役割を果たすことができるのかなど、少し自分のことを客観的に考えてみましょうと促しているわけです。実はそれが、そのまま就職活動での自己PRにつながっていくのです。キャリアセンター職員からのメッセージ保護者にも今の就職事情をぜひ、知っていただきたい。航空業界の経験を生かして、学生をサポートしています。学生の性格や個性に合わせて、相談に応じています。学生生活が充実してこそ、就職活動も充実する。飯村敏恵さん小林裕子さん横溝満雄さんキャリアカウンセラー及川清治さん
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