学習院大学の就職力
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4インタビュー 福井憲彦学長に聞く「学ぶ力は未来を拓く。そして人生を豊かにする」する学生が多いため、被災地へのボランティア・バスツアーをサポートする体制もとっています。卒業生による面接対策セミナーは伝統的な取り組み――最近の卒業生はどんな分野で多く活躍されていますか。 銀行や保険会社といった金融関係が多いですね。「学習院大学の学生は信用できる」と思われているのかもしれません。逆に、工学系の学部がないのでメーカー系が少ないです。マスコミ関係は、毎年実績を残しています。――「メンタイ」と呼ばれる、面接対策セミナーが成果を上げているそうですが。 20年を超える取り組みで、今は希望者全員を受け入れるので、参加者は約1300人になります。OB・OG約250人が講師を務め、就職が決まった4年生約150人がサポーター役になります。セミナーを受けた卒業生が就職して経験を積んだ後、講師で戻ってきてくれるのですが、こうした人のネットワークが蓄積されてきたことがすごく大きい。また、生身の卒業生から直接、いろいろな話を聞くことができます。就職だけでなく、人生をどうやって生きるのかが一番重要なので、多く学び取ってほしいと思っています。――「キャリアセンター」は面倒見がいいと評判ですね。 学生数が少ないことも関係しているのかもしれませんが、それぞれの学生に合わせて対応していることが基本にあります。型にはめない、一部上場企業に入ればそれでいいと思わない、そんな対応が基本です。また、キャリアセンターが全学をカバーしていますが、学部ごとの取り組みもあります。企業や雇用問題の専門家が多いのは経済学部なので、キャリア・デザインの科目を経済学部に設けています。理学部では専門領域を生かせる就職に向けた指導を独自で行っています。また、中高の教員になる学生も多いのですが、さらに小学校の教員免許が取れる教育学科をふくい のりひこ1946年生まれ。学習院大学文学部長などを経て2007年から現職。専門はフランス近・現代史。福井憲彦・学習院大学長
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