学習院大学の就職力
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8カッション、集団面接、個人面接が繰り返し行われる。 20分の模擬面接後、OB・OG講師から学生一人ひとりに対して、振る舞い、声、表情、話し方、話の内容まで、事細かいアドバイスが与えられる。 いくら社会の第一線で活躍する面々とはいえ、プロの就職指導講師ほどの指導ができるのか、はなはだ疑問という方もいるだろう。しかし、そこが伝統のなせる業。講師を務めるOB・OGたちは、この日だけ集まるわけではない。講師としてのスキルを高めるために、2回の「講師セミナー」のほか、連絡を取り合い、日頃から個々に研さんを積んでいる。むしろ、なまじのプロより手厳しい場面が随所に見られる。「まず、態度からしてなってない!」「おまえはタメ口で面接に臨むのか!」「説明が長い! はい、時間オーバー!」「それじゃ、聞かれた質問に答えてないでしょ!」「そんな話し方で、面接官があなたに興味を持つと思う?」「そんな志望動機、誰でも言えること。説得力ないよね?」 同大学OBで、メンタイの立ち上げから関わっている学習院大学キャリアセンター主事・淡野健さんは、 この日は1月5日。5日といえば世間はまだおとそ気分。しかし、目白駅に隣接する学習院大学は趣を異にしていた。スーツに身を包んだ学生たちが続々と登校。8時30分を過ぎると、集合場所の記念会館正堂入り口には列ができていた。 就活の皮切りとなる行事の集まりとはいえ、正月気分が抜けていないのか会場は喧けんそう騒とし、学生の表情も厳しさに欠ける。そこに、キャリアセンターの淡野健さんがマイクを手に登壇。「この2日間、社会人としてみんなに接する」という言葉を投げかけると、波が引くようにざわめきが消えた。「一体何がはじまるのか?」緊張ととまどいが隠せない学生たち 淡野さんが学生たちに指示を飛ばした。「まずは隣の人と向き合って30秒で自己紹介をしてください」。朝一番というのもあるだろうが、学生たちはなかなか大きな声が出ない様子。30秒学生たちの様子を見守った淡野さんは、「今、皆さんは大きな声であいさつをしましたか?」と尋ね、「それでは、もう一度あいさつをはじめ」のかけ声。 学生たちは気を取り直したように、隣同士で向き合い、会釈、あいさつし、自己紹介をはじめた。中には、友人同士の自己紹介では意味がないと、向こう隣にいた見ず知らずの学生に声をかける積極的な学生の姿もある。学生たちの気持ちが切り替わった瞬間だ。30秒の自己紹介でメンタイがスタート!学生1300人、OB・OG、先輩学生420人が集結して、2日間の凝縮体験がはじまる。壇上での所作指導、職員からの問いかけで学生の自覚を促す9:00~ メンタイスタート9:00 OB・OG講師たちは、学生たちより一足早く朝8時に集合。当日の流れなどを再確認し、学生たちの指導に備える。MENSETSU TAISAKU SEMINARメンタイ1日目に密着

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