理学部ムック_卒業生2名
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研究者との交流が楽しい人体の細胞膜など、膜の性質について研究している野嶋優妃さん。大学院進学後は、国内外の学会で研究成果を発表する機会が増えた。野嶋優妃 博士後期課程1年(化学専攻) 「高校時代から生物が好きで、特に体内や脳神経で起こる化学反応に興味をもっていました」と博士後期(博士)課程1年の野嶋優妃さん。学習院大学では理学部化学科に入った。 4年生では、物理化学を専門とする岩田耕一教授の研究室を志望した。さらに研究を深めたくて博士前期(修士)課程に進学した。 「研究室の雰囲気や教授の親しみやすい人柄に魅力を感じたのが、最初の動機でした。物理はあまり得意というわけではありませんでしたが、この環境ならば、きっと課題が難しくても、楽しく乗り切れると確信したんです。その確信通り、研究は面白く、さらに研究を深めたくて大学院に進学しました。幸い、博士前期課程の頃から順調に成果が上がり、さらに掘り下げた研究がしたいという思いから、博士後期課程へと進学することを決断しました」 野嶋さんは現在、大学院の博士後期課程の1年生。細胞膜などの膜の性質や構造について研究を進めている。具体的には、レーザーを使って膜の化学反応を観測するといった実験を繰り返す。 「生物の膜の基礎的な性質を把握する研究は、将来の進歩に寄与するはずです。例えば、医薬品の膜に対する浸透度を上げられれば、少ない薬の量で治療が可能になり、副作用の軽減に役立ちます」 日々の研究は、孤独な作業が少なくない。しかし、実験結果の解釈に関しては、岩田教授をはじめ、助教や他の学生の力を借り、さまざまな視点から考察する。なかなか思うような成果が得られない時でも、常に励まし合える仲間が研究室には大勢いる。知見を深め人脈を広げる学会や国際会議への参加 博士前期課程になると、大学院生にも国内外の学会で発表する機会が与えられる。野嶋さんの学会デビューは、博士前期課程1年の夏。以来、年に3〜4回ほど国内外の学会に参加しているという。 学習院大学では、海外の学会参加に際して旅費交通費などに対し、国際交流センターが10万円を上限に補助する制度も用意されている。 語学が好きという野嶋さんは、海外の学会でも物怖じしない。各国の研究者へ積極的に話しかけ、研究内容をプレゼンテーションする。 「私の研究内容を理解してもらえる人と話すのは、本当に楽しいです。また、難しい質問をされたりして答えに困った時などは、むしろチャンス。『教えてください』とこちらから言って、学ばせてもらっています」 「学外の多くの研究者と直接交流する機会が増えています。人脈が広がるだけでなく、物理化学の世界を広く深く知ることができ、自分の可能性も広がったように感じています」 野嶋さんは、企業の研究職に就くことを希望している。自身の専門分野を活かしながら社会に貢献するのが夢だという。日々の研究は、孤独な作業が少なくない。しかし、思うような成果が得られない時も、常に励まし合える仲間が研究室には大勢いる語学の勉強が趣味の野嶋さんは、得意の語学力を活かして、積極的に国内外の研究者と交流を図り、知見を深めているCAREER SUPPORTGRADUATE SCHOOL048Faculty of Science
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