法学部卒業生_デジタルブック
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やりがいを感じています。判決だけでなく和解という形で両当事者にとって適切な提案ができることも魅力です」 裁判官という仕事に興味をもったのは高校時代、現代社会の授業で少年法の厳罰化についてのレポートを書いたのがきっかけだったという。裁判官を目指して学習院大学法学部法学科で学んだ後、東京大学法科大学院に進み、2009年、司法試験に合格。その後の司法修習時代には裁判官と弁護士、検察官の仕事を間近に見て、それぞれに魅力を感じたという。当事者に直接会い、より密接に事件にかかわることのできる弁護士の仕事にも惹かれた。 しかし「裁判官はさまざまな事件に対して適切な解決を図ることができる重要な仕事であると思い、裁判官の道を選びました」という。 学習院での学生生活で特に印象に残っているのは、教員たちとの距離の近さだった。 「著名な先生も多かったのですが、授業の後などに、先生の部屋へ質問をしにいくと丁寧に答えていただきました。とても親身になって指導していただいたことを覚えています」有意義だったゼミ勉強と部活動を両立 授業の印象は、具体的な例を挙げての説明がとてもわかりやすかった水野謙教授の「民法Ⅱ」、課題が多く、授業は厳しかったものの指導も熱心だった岡孝教授の「民法Ⅰ」、論理的思考を学ぶことができた神前禎教授のゼミ、3年のゼミで行った模擬裁判などが強く印象に残り、現在の仕事にも役立っているという。 1、2年生の時から少人数のゼミが用意され、自分で考えて発表したり、みんなで議論したりする機会が多かったと安田さんは振り返る。 「ゼミには3、4年生も出席していたので、勉強だけでなく進路などの相談ができたのもよかった。司法試験の科目について基礎をじっくり学ぶことができました」 大学時代は勉強だけでなく、課外活動にも力を注いだ。学習院大学での4年間、学習院輔仁会音楽部に所属し、フルートを担当。オーケストラの一員として演奏会に出演した。 「学習院は課外活動も盛んで、私も勉強と両立させながら学生生活を満喫できました。学習院は全体的にアットホームな雰囲気で緑も多く、とても有意義な学生生活でした」「法服を着て法廷に臨む時は今もすごく緊張します。裁判官同士はもちろんですが、書記官など他職種の方々とのチームワークも重要です」と安田さん法律を基礎からじっくり学べたことが、役立っていますVoiceGRADUATE'S VOICE間違いが許されない仕事なので、条文を覚えていても必ず六法で確認しながら仕事を進めている。スケジュールや必要事項は執務記録に書き込むオーケストラの一員として演奏会に出演学習院輔仁会音楽部は1922年に創部され、安田さんの在籍時は総勢200名以上の部員が年2回の定期演奏会に向けて練習に励んだ。安田さんはオーケストラでフルートパートを担当。初めての演奏会でシベリウスの「カレリア組曲」を演奏したことが印象に残っている。Column057GAKUSHUIN UNIVERSITY

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