法学部卒業生_デジタルブック
14/20
成される。牧田さんら職員は、委員長の指揮の下、議事や日程調整を行う副委員長を補佐し、担当委員会や本会議を円滑に運用するためのサポートを担当する。法案をどの順番で審議するかの日程調整をはじめ、国会や内閣、他党に関する情報収集など、その業務は多岐にわたる。 「議員の指示を的確に受け止めて、一刻も早く対応することが、国対職員には求められます。常に緊張感を伴いますが、日本をよくしたいと考えておられる国会議員の方々をサポートする職務に、誇りも感じています」近代政治史に興味をもち、政治学科へ進学を決意 情熱をもって、国会運営のサポートに当たる牧田さんが政治の世界に興味をもったのは、学習院高等科3年生の夏、ホームステイでオーストラリアのパースに滞在したことがきっかけだった。その年は、ちょうど第二次世界大戦の終戦50周年に当たっていて、滞在中、ホストファミリーら現地の人々の温かさに触れる一方で、連日掲載される地元紙の旧日本軍を批判するセンセーショナルな報道にショックを受けた。牧田さんは日本人の一人として、政治や外交の重要性について考えさせられたという。 この出来事を機に、外交的な視点から政治について学ぼうという意欲が湧いた牧田さんは、迷わず政治学科への進学を決めた。 大学での講義は「とにかく刺激的だった」。とりわけ印象深いのが、飯田芳弘助教授(当時)のヨーロッパ政治史ゼミでのグループ研究だという。 飯田ゼミでは6〜7名のグループに分かれ、テーマ決定から調査方法、発表方法をグループ内で話し合って進めていくが、議論は当然、すぐにはまとまらない。時には、自分の意見を通すためにメンバーを説得することもあれば、逆に自分の意見を引っ込めることもある。グループのメンバーと熱い議論を進めながら、「妥協」することの大切さを学んでいったという。 「政治学科で〝政治には妥協が大切〞だと教わりました。実際その通りで、政治の現場では物事を進めるためには妥協も必要です。国会でも、与野党の意見や主張が合わない時には、自分の意見を変えたり、違う方法を模索したりするプロセスが日常的に繰り返されています。そんな議論の進め方を飯田ゼミでのグループ研究を通じて、自然に学べていたのだと今、改めて感じています」自民党の国会対策委員会の会議。牧田さんら職員も同席し、委員長や副委員長に、刻一刻と変わる政治情勢に対応して、必要な資料を素早く提供するのが重要な任務だ国会議員をサポートする職務に誇りを感じますVoice学業だけでなくサークル活動も謳歌経済学部に在籍していた2学年上のお兄さんに誘われ、学生時代を通じて上智大学、立教大学とのインカレテニスサークルに所属。100名を超える部員の会計を担当するなど、幹部メンバーの一人として活躍した。当時のサークル仲間とは今も折に触れて集まるという。ColumnGRADUATE'S VOICE入社2年目には、小泉内閣の広報を担当。小泉元総理のポスターやテレビCM、グッズの制作などにかかわった061GAKUSHUIN UNIVERSITY
元のページ