法学部卒業生_デジタルブック
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ている。 「決算書や財務諸表を作る財務会計はいわば結果の業務。対して管理会計は、経営陣が今後の経営判断をするための数字を取り扱う部門。未来の会社の姿を描きながら作り上げていく、とても創造的な仕事だと感じています」 入社して7年が経過し企業の未来を見据えて仕事をするなかで、将来は「海外事業にかかわる仕事がしたい」という目標もできた。 「建設だけでなく、例えばパトロールなどの維持管理も含めた有料道路の仕組みをパッケージにして海外輸出できたらという夢があります。というのも、学習院大学時代の、ゼミ教官の中居良文教授が、日本にとどまらず、どんどん海外に飛び出したほうがいいと励ましてくださったからだと思います」大学時代に得た友人が今も心の支えに 前田さんが、大学時代に最も影響を受けたと振り返るのは、中居教授の「フィールドワークを大切にせよ」という言葉だ。その教えに心動かされた前田さんは、「とにかく現場を見よう」と3年生の時に初めて中国を訪れる。「ちょうど北京オリンピックの3年前で、高速道路、橋脚……と、至るところで街づくりが行われていて、とにかく熱気が凄かった。まさにインフラ作りの現場を間近に見られて刺激を受けました」。だが一方で、中国の強引ともとれる土地収用の進め方に衝撃も受けた。これが在学中の論文のテーマになっただけでなく、卒業後の進路を考えるうえでも転機となったという。 「百聞は一見に如かずといいますが、何よりも現場を見ることが重要だと身をもって知ったことは、今の仕事上のモットーにもなっています」 そしてもう一つ、前田さんにとって印象深い思い出が、テニスサークルの活動だ。元来、身体を動かすことが好きな前田さんは、休日には朝から晩まで練習に明け暮れた。 「卒業して7年、自分たちでも驚くほど頻繁に仲間に会ってます(笑)」 また、今も折に触れて集まるゼミのOB会や学科の友人らとの絆は「学習院だからこそ得られた」と話す。 「4年間同じキャンパスで過ごす過程で、同期はもちろん先輩や後輩とも交流できる。人とのつながりが密なのも学習院の大きな魅力です」入社後、一貫して経理畑を歩んできた前田さん。「最後の1秒までクオリティを高めることに注力したい」と仕事への意気込みを語る現場を重んじる学生時代の学びが活きていますVoice学習院時代の恩返しにメンタイの講師を志願OBやOGが面接対策の講師を務める、学習院大学独自のキャリア対策「面接対策セミナー(通称:メンタイ)」。前田さんは、講師として3回参加した。「学生時代に愛情をもって、厳しく指導してくれたOBのおかげで就職活動の強みになった。その恩返しがしたかった」と話す。ColumnGRADUATE'S VOICE恩師・中居教授とゼミ仲間との写真。学習院での教授生活10周年を祝して、今年は盛大なOB会を計画中だという065GAKUSHUIN UNIVERSITY

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