法学部卒業生_デジタルブック
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亦孝彦さんの外交官としてのキャリアのスタートは、それまで馴染みのなかった国、トルコの大使館への赴任だった。2年間の研修があったものの、言葉の壁には「随分苦労した」と当時を振り返る。 「研修が終わって間もなく、国会議員の通訳をする仕事をしたのですが、そのテーマが核軍縮の話で、次から次へと難しい政治の話題が議題になり、冷や汗をかきました。しかし、現場で汗をかくことで、次第に言葉が身に付きました」 現地の人々との交渉をはじめ、日本の要人の通訳、現地の学生に日本の文化を伝える文化交流など、さまざまな経験を経ることで、徐々に外交官としての力を付けていった。当時、在トルコ大使館の人員は10名足らずと小規模だったため、「経験の少ない私にも、日本の代表としてさまざまな仕事をする場が与えられたのは幸いでした」と勝亦さんは言う。 「親日家の多いトルコでは、街で突高校時代に夢見た外交の場で活躍外務省 勝亦孝彦難関の外交官試験をパスし、高校時代からの夢だった外務省に入省した勝亦孝彦さん。後押ししてくれたのは、学習院大学の教授陣が有志で開講した外交官養成のための特別ゼミだった。GRADUATE'S VOICETakahiko Katsumata●1982年法学科卒業。同年外務省入省。在トルコ大使館、中近東第一課、条約課、北米第一課、在英国大使館、邦人保護課首席事務官、国際協定課首席事務官、条約交渉官、監察査察室長、WTO紛争処理室長、衆議院安全保障調査室次席調査員を経て、2011年8月から現職。国際法局 社会条約官勝054Faculty of Law

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