学習院大学 東洋文化研究所The Research Institute for Oriental Cultures

研究プロジェクト

一般研究プロジェクト

アジア文化研究(特別研究)(1993-2003年度)

 

構成員
代表研究員 諏訪春雄
研究員 武内房司(1993-1994) 吉田敦彦(1994-2003)
客員研究員 黄強 葉漢鰲 曽紅(1993-1999) 金香淑(2000-2003)
(1)「アジア文化研究プロジェクト」設立の趣意と目的

日本列島は、有史以前から、周辺の三つの海、北方のオホーツク海、西方の日本海、南方の東シナ海を玄関口としてアジアの諸民族と交流し、その文化を取り入れて国家と文化を形成してきた。日本人が現時点における自己の立場を確認し、これからの国際社会における役割と責任を果たしていくためには、まず日本国家と文化の成立の過程を正しく認識しておくことが必須の条件となる。日本の民族と古代文化の本質は、いうまでもなく、日本列島を孤立させて考察・研究しても成果を挙げることはできず、アジア全域を視野におさめた広大なつながりの中で考えなければならないことであるが、その実行にあたっては、個人の力を超えた困難が横たわっており、多方面の専門家と人材を結集した学際的、国際的な恒久機関の設置が要望される。これまでに、あるいは現に、大阪府の国立民族学博物館、東京大学、学習院大学に代表される東洋文化研究所、文部省をはじめとする各省、各機関、各企業の助成金による研究プロジェクトなどが、存在して多くの成果を挙げつつある。しかし、国立民族学博物館は恒久的な施設ではあっても、アジアに限定された研究機関ではないし、各大学の東洋文化研究所は予算上の制約に加えて制度上からくる人的交流の限界があり、また研究プロジェクトは短期に組織されたプロジェクトであって成果の永続的な積み重ねという点で欠けるものがある。アジア文化研究プロジェクトの構想はまさに以上のような反省のうえに立って、これまでの研究の在り方の欠落を補う、アジア文化専門の、自由な、創造的な研究組織として設立されるものである。

(2)活動と事業

前記の趣意と目的を達成するために、当プロジェクトは次のような活動と事業を行う。
 1.人員の派遣によるアジア各地の現地調査
 2.定期・不定期の研究会、講演会、講座、シンポジウム、映写会などの開催
 3.各種学術書・啓蒙書の刊行、映像資料・民族音楽CD・写真集などの制作
 4.その他構成メンバーが必要と認めた活動や事業

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