風俗写真・絵葉書資料(満州・朝鮮・アイヌ)

解説

風俗写真・絵はがき資料は、朝鮮・満洲・アイヌ等の写真を含む資料群である。学習院図書館が明治39年(1906)12月に購入した。戦後、図書館長室(兼東洋文化研究所研究室)に、旧制学習院歴史地理標本室(大正初年に開設)の多くの資料とともに置かれていた。図書館長の任にあった末松保和教授が学習院東洋文化研究所主事となったことから図書館長室がそのまま東洋文化研究所となっていた。この資料群は近年、大学史料館によって発見された。現在は朝鮮および満洲に関連する資料については、調査研究のため東洋文化研究所に保管されている。撮影時期は不明だが、韓国の雑誌『新東亜』2005年1月号特別付録の写真集『100년전 한국』(100年前の韓国)に、上記写真資料と同一の原板を用いたとみられる写真が多数含まれており、同書の情報から明治39(1906)年頃に撮影されたものと推定される。この資料群のうち朝鮮関連の写真には、「朝鮮(一)」~「朝鮮(四)」と下部分類が設けられている。「朝鮮(一)」および「朝鮮(二)」には朝鮮各地の風景や名所を撮影した写真が主に収められ、「朝鮮(三)」にはソウルの王宮・景福宮を撮影した写真が、「朝鮮(四)」には朝鮮人たちの服装や風習を撮影した写真が主に収められている。この写真資料群については、東洋文化研究所において電子画像化やデータベース化が行われている。なお、学習院大学図書館には、明治期から昭和10年代まで蒐集した写真が原簿とともに残されている。

(辻)

(景福宮正門 光化門)