できるだけシンプルな遠隔授業・試作公開版

公開 2020 年 3 月 27 日 / 更新 2020 年 5 月 25 日

ここでは、講義ノートなどの資料の pdf ファイルと容量の小さな音声ファイルを提供する「ラジオ講座」風のシンプルな遠隔授業の形式を紹介しています。 パソコンを使うのが望ましいですが、スマホが一台あればしっかりと学べることを考えて作りました。 また、スマホだけでインターネットに接続する受講者を想定してファイルの容量の小さい「ギガに優しい」授業にすることも心がけました(幸いにも学生への通信料の援助が決まりつつあるようで、通信量についてはそれほど悩まなくてよくなったのかもしれません。ありがたいことです。いずれにせよ容量が小さければ聴く方にとって楽だと思います)。 ここでは本格的な授業の準備のための短めの試作品(と言っても内容はちゃんとしていますが)を二つ公開しています。
かっこいい動画も効果音もありませんが、真面目に学ぼうと思っている人ならば、このような形式の授業から多くを学べるのではないかと期待します(ヘタに解像度の悪い動画で板書を見るよりも、こういうシンプルなものの方がちゃんと学べるのではないかとさえ思います)。 大学の遠隔授業なら、さらに、課題の提出と採点(そして、次回の講義にその内容をフィードバック)、メール等による質問や議論などを組み合わせることになるでしょう。 まずは、こういうベーシックな遠隔授業でスタートして、徐々に Zoom のセッションなどを加えていくというのも(私のようにコンピューターとネットにそれほど強くない教員にとっては)現実的なやり方ではないかと考えています。 実際に講義で使うことを想定して作った講義のトップページのサンプルをご覧いただくと私のイメージが伝わるかと思います。
ここでの素材や方法は、最初はよくわからないまま作ったものをとにかく公開したのですが、たちまち多くの人にご協力いただき、実用にたえる形になったと思っています。みなさん、どうもありがとうございました。今後も改良したいので、アドバイスをいただければ幸いです。 (同業者向けに遠隔授業教材作成についてのメモも書きました。)
田崎晴明
(付記:2020 年 8 月に進化版である「ハイブリッド型オンデマンド講義」の紹介を書きました。)
利用法
  1. 講義ノートの pdf ファイルをダウンロードする。 Mac や PC ならばクリックすれば自動的にできるはず。iPhone の場合は少し面倒だが下を参照。 (聴講後もファイルは保存してもらってかまわない。)
  2. 手元の端末でファイルを開いて読めるようにする(可能なら印刷して、書き込んだり落書きしたりしながら、聴講するのがベストだと思う)。
  3. 音声ファイルをクリック(タップ)するとブラウザ上で再生される(はずな)ので、順にノートを見ながら聴く。 講義と違って途中で詰まったらポーズをかけてゆっくり考えられる。 (もちろん、必要があれば音声ファイルもダウンロードしてもらってもかまわない。iTunes に入れてくり返し聞いてもらってもいいです。)
iPhone あるいはアンドロイド搭載スマホで聴講した様子の動画(KT さん提供)
詳しい操作方法:iPhone / アンドロイド(KT さん提供)
遠隔授業・試作品 2『エンタングルメントと超光速通信』  物理学科の三年生の最後の方の量子力学の講義の一部です。
遠隔授業・試作品 1『バネでつながれた粒子の落下運動』  物理学科の一年生の一学期の半ばくらいを想定した講義です。

言うまでもないことかもしれませんが、私の書いたページの内容に興味を持って下さった方がご自分のページから私のページのいずれかへリンクして下さる際には、特に私にお断りいただく必要はありません。
田崎晴明
学習院大学理学部物理学教室
田崎晴明ホームページ

hal.tasaki@gakushuin.ac.jp