牛車型明器

資料情報

史料館番号:史料館23/『標本原簿』名称:瓦牛車/『標本原簿』番号:23/製作地域:中国/製作時期:漢~晋時代/陶製/(1)15.8cm×2.9cm車輪 (2)15.3cm×3.3cm車輪 (3)21.2cm×34.5cm×14.8cm牛車 (4)8.3cm×21.3cm×11.5cm牛 (5)21.7cm×48.2cm×3.0cm台/数量:1点

解説

中国古代において、死者は死後も生前と同じ暮らしをすると考えられていたことから、墓主の生前の生活用品そのもの、もしくは、ミニチュアを墓に埋めた。このような副葬品を明器〔めいき〕という。

本品は牛車を模したもので、車を挽く牛1頭と牛車から成っている。牛車は、2本の轅〔ながえ〕を有し、先端に軛〔くびき〕がある。車体には室があり、2輪である。車輪・本体・牛の部品が別々につくられ、組み合わされている。

漢代には、中国の西北部の甘粛省武威磨咀子〔まそし〕漢墓から木製の彩色牛車が発見されているが、本品は陶製である。本品と類似した文物としては、河南省洛陽市邙山〔ぼうざん〕から出土したものがある(北京大学サックラー考古芸術博物館蔵)。高さ21.5cm、長さ41.0cmの北京大学所蔵品は西晋時代のもので、武士俑・犀形鎮墓獣とともに発見された。牛車は、漢代から晋代にかけて、一般的な貴族の移動手段の一つとなった。

旧制学習院歴史地理標本室の原簿には「瓦牛車」とあり、江藤濤雄氏より大正11年(1922)に30円にて購入した。

(村松)