唐三彩馬俑

資料情報

史料館番号:史料館287/『標本原簿』名称:唐三彩馬/『標本原簿』番号:45/製作地域:中国/製作時期:唐時代/陶製/13.6 cm×33.9 cm×34.4cm/数量:1点

解説

唐三彩〔とうさんさい〕とは、緑色・褐色・白色の3色(三彩)および藍といった色彩を有する陶器を指す。唐代より製作が始まり、主に貴族などの墓の副葬品として造られた。唐の都・長安や洛陽から多く発掘される。

北方・西方の遊牧民による王朝が乱立した魏晋南北朝時代を経て建国された唐王朝は、これらの諸民族の文化の影響を受けつつ、国際的色彩の強い国家を醸成させた。唐三彩の造形にもそれが表れ、馬や駱駝、西方系の顔立ちでヒゲをたくわえた人々などが見られる。

本品は馬の俑〔よう〕である。俑とは「はにわ」を意味する。この俑は、灰白色の良質な粘土でつくられ、小さな粘土板の上に起立した馬は口を開き、やや左を向き、背に鞍が着装されている。欠失した左耳は石膏で補修され、黒漆塗り木製の台座に前後2本の金具で固定されている。出土地は不明。

旧制学習院歴史地理標本室の原簿には「唐三彩馬」とあり、江藤濤雄氏より大正13年(1924)9月4日に75円にて購入した。

(村松)