唐三彩鎮墓獣

資料情報

史料館番号:史料館42/『標本原簿』名称:唐三彩霊獣/『標本原簿』番号:46/製作地域:中国/製作時期:唐時代/陶製/10.1 cm×14.5 cm×29.2 cm/数量:1点

解説

鎮墓獣〔ちんぼじゅう〕とは、墓を守り悪霊(邪)を祓うために副葬された獣形・人面獣身などの木像・陶像のこと。このような像を副葬する習慣は、春秋時代にはすでに見られ、漢代を経て、とくに唐代で流行した。

唐三彩の鎮墓獣である本品は、灰白色の良質な粘土でつくられ、低い台座の上に跨踊した獣形の俑で、口を開き、牙をむき出しにした顔面は獅子に似るが、頭上にはやや湾曲した双角が生え、四肢の先は偶蹄に表現され、両肩に小さな翼を持つ。出土地は不明。

旧制学習院歴史地理標本室の原簿によると「歴史46」の番号が付され、唐三彩馬俑と同じ大正13年(1924)9月4日に江藤濤雄氏から70円で購入した。

現在、学習院には4体の唐三彩があり、本品と唐三彩馬俑のほか、1体は「武人俑」(旧制学習院歴史地理標本室の原簿では「唐武人土偶」、学習院大学史料館蔵)、1体は「女人俑」(上記原簿では「唐美人土偶」、学習院百周年記念会館にて展示)である。ともに大正13・14年に江藤濤雄氏より購入している。

(村松)