太王陵出土太王陵銘条磚

資料情報

史料館番号:史料館125・126/『標本原簿』名称:記載なし/『標本原簿』番号:-/製作地域:朝鮮半島/製作時期:高句麗時代/陶製/15.9cm×16.9cm×2.4cm/16.0cm×13.7cm×2.4cm/数量:1点

解説

太王陵〔たいおうりょう〕は、現在の中国吉林省集安市、通溝盆地中部の禹山〔うざん〕南、鴨緑江〔おうりょくこう〕北に位置する。洞溝古墓群に含まれる大型積石墓で、墓の規模は一辺が65m、高さは14mである。墓主は高句麗 第19代の広開土王(好太王)との説がある。

本品は「願太王崚安如山固如岳」(太王崚(陵)が山のように安寧で、岳のように強固であることを願う)と隷書体の銘文が型押しされていることから、太王陵の磚〔せん〕であることがわかる。太王陵銘条磚の銘文には「陵」と「崚」の2種があるが、本品は後者の完整品である。金製品・鉄器・鉄の鎧片も多く発見された。

旧制学習院歴史地理標本室の原簿には出土地および来歴などの記載はない。太王陵の東北200mの所に広開土王碑があり、付近の将軍塚を含む一帯は世界遺産に登録されている。

学習院には「広開土王碑拓本」も所蔵されており、本品とともに、その入手ルートは明らかではないが、明治期の白鳥庫吉、あるいは昭和初期の末松保和の集安訪問と関連している可能性も考えられる。

(村松)