詩解正宗

書誌情報

詩解正宗 五巻 /(淸)愛新覚羅肫図 撰 / 乾隆十三年 / 刊行 紫竹齋 / 刊本 / 5冊 / 9行21字 / 四周双辺 / 有界 / 白口 / 単魚尾 / 断句有 / 縦26.7 cm×横16.4 cm / 框高20.3cm / 旧蔵印無 / 澤口東洋文化研究所旧蔵

解説

『詩解正宗』は清の宗室の肫図が乾隆年間に著した詩経の研究である。当時は朱熹『詩序辨説』などの影響で小序の解釈が軽視されがちであったが、肫図は小序の冒頭二句は子夏によって著された由来が古いものであり、その下に衛宏や諸儒の注が書き加えられているのだと考える立場から、小序の冒頭二句に沿って詩の意味を解釈している。肫図には他にも『理象解原』という易経に関する著作がある。

本書はもと学習院大学教授 澤口剛雄(1902~1995)の旧蔵書。澤口は中国文学研究者で、唐宋の詩や楽府の分野で大きな功績をあげた。その蔵書は澤口東洋文化研究所として埼玉 川口の旧宅に収められていたが、平成24年(2012)遺族により、本書を含めた一部が学習院大学の東洋文化研究所に移された。

本書と同じ紫竹齋刊『詩解正宗』は孫殿起の著した版本目録『販書偶記続編』に収録されており、『中国古籍善本總目』にも収録されている。日本では他に東京大学東洋文化研究所が所藏している。

(石原)

 

参考

  • 翁連溪編『中国古籍善本総目』 線装書局 2005年
(表紙)

(表紙)