毛詩故訓伝定本

書誌情報

毛詩故訓傳定本 三十巻 / (清)段玉裁 撰 / 嘉慶二十一年 / 刊行 七葉衍祥堂 / 刊本 / 8冊 / 10行21字 / 左右双辺 / 界有 / 白口 / 単魚尾 / 断句無 / 縦25.1 cm×横16.0 cm / 旧蔵印無 / 澤口東洋文化研究所旧蔵

解説

清の段玉裁は当時伝わっていた鄭玄の『毛詩故訓伝』が本来の姿を失ってしまっていると考え、これを整理し直し『毛詩故訓伝定本』を著した。

著者の段玉裁は字は若膺、号は懋堂。江蘇省金壇県の人。説文の研究で知られる。

本書は断口(版木の割れ目)などから北京大学図書館などが所蔵している七葉衍祥堂版本と同一の版本であることが確認できる。七葉衍祥堂版本は『中国古籍善本総目』にも収録されている。北京大学図書館所蔵の『毛詩故訓伝定本』は『続修四庫全書』に収録されており利用しやすくなっている。本研究所の収蔵のものは『続修四庫全書』所収のものよりも版木の状態が良く、全体的に鮮明で文字の欠損が無い。

『毛詩故訓伝定本』は巻首に「毛詩故訓伝定本小箋題辞」が付されているため『毛詩故訓伝定本小箋』とも呼ばれる。

本書はもと学習院大学教授 澤口剛雄(1902~1995)の旧蔵書。澤口は中国文学研究者で、唐宋の詩や楽府の分野で大きな功績をあげた。その蔵書は澤口東洋文化研究所として埼玉川口の旧宅に収められていたが、平成24年(2012)遺族により、本書を含めた一部が学習院大学の東洋文化研究所に移された。

(石原)

 

参考

  • 翁連溪編『中国古籍善本総目』 線装書局 2005年
  • 続修四庫全書編纂委員会編『続修四庫全書』経部詩類第64冊 上海古籍出版社 2013年
(表紙)

(表紙)