地球韻言 請求番号 290.9/73

書誌情報

地球韻言 四巻 / (淸)張士瀛 撰 / 光緒31年(1905) / 刊行 上海商務印書館 / 排印本 / 2冊 / 10行20字 / 四周双辺 / 無界 / 黒口 / 単魚尾 / 断句無 / 縦20.0×横13.2/ 框高15.1 / 旧蔵印無 / 寄贈者大澤顯浩氏

解説

『地球韻言』は、江陵の張士瀛の撰になる初等教育のために編纂された世界地理の読本。四字一句の韻文で世界の大勢を簡潔に述べたもので、19世紀末 から20世紀初頭に何度も版を重ねた。その内容は諸国の歴史や社会制度の紹介にも及び、西洋近代の啓蒙書としての意味を持つ。また時局の中で、列強からの外圧に直面する国家の危機を意識させるという役割も果たした。

日本に現存する『地球韻言』は、東京都立中央図書館 實藤文庫の二種のテキスト(光緒24年鄂垣務急書館刊本、光緒25年己亥刊本)が知られるが、本書はそれらとは異なる光緒31年(1905)上海商務印書館より刊行された排印本。光緒23年(1897)の張士瀛の序を冒頭に載せる。『地球韻言』には「地球図」と称する世界地図を載せる版もあるが、本書には見えない。

(中嶋)  

参考

  • 大澤顯浩「『地球韻言』について―清末の地理認識とその表現」(高柳信夫編著『中国における「近代知」の生成』学習院大学東洋文化研究叢書、東方書店、2007、所収)

(表紙)