入試教科からのアドバイス

国語

私たちは毎年の入試問題を作成するにあたって、受験生諸君が国語の基礎力(読み、書く力)をしっかりと身につけているかどうかを確かめることを目標にしています。

問題の形式は、毎年大きな問題が二問で、一問は随筆ないしは小説、一問は論説文です。随筆や小説の問題は、主に鑑賞面の読解に重点が置かれ、論説文においては、論理的な読解力が問われる問題になっています。かつて出題した芥川龍之介の「戯作三昧」は、二千字を超える分量がありました。その他にももう一題あるわけですから、ふだんから長文の読解力を身につけておかないと、限られた時間の中で答案を書き上げるだけで精一杯ということにもなりかねません。

また、「読解の基礎は、漢字の書き取りや読みの力から」という観点から、この二つについてはかなりの点数を配分しています。漢字の書き取りや読みの力を十分につけておいて下さい。とはいっても、いずれも常用漢字の音訓表の範囲内での出題を建て前としており、特殊なことばの読み書きを要求しているわけではありません。

次に問題の特色としては、みずからの力で文章を書く問題が多いことです。記号選択式の問題も数問ありますが、実際の合否を分けるのはこの記述形式の問題にかかっているといっても過言ではないでしょう。文章をしっかりと読みとり、問われていることがらを正確に把握して、自分のことばで論理的に説明しようとする姿勢を評価したいと思っています。

英語

受験生諸君の英語の能力について私たちが期待し、その習得の程度を確かめたいと考えているのは、主として次のような点です。

まず大切なことは、長文を速読し、大意を正確に読みとる力です。「英語を読む」と言うことは、単に語彙と文法知識を基に1文ずつ解読する作業ではなく、文章をまとまりのある概念としてとらえることであり、書かれている情報を基にして、読み手が主体的に解釈しながら、書き手の意図を再構築する創造的活動です。具体的には、(1)英語を読んで書き手が伝えようとしている事柄の概要や要点などを把握する、(2)誰が、いつ、どこで、なぜ、どのように、何(5W1H)を行うかについて情報を読みとる、という2点を大事に考えることです。さらに、ある一定の速度で文章を読むことも大切です。一語一語読むのではなく、意味単位ごとに読み進んで理解する力が求められます。

つぎに、英語の聴きとりについて説明しましょう。聴きとり問題は、放送で行われます。英語の音に慣れて、速読のように英文を後戻りしないで理解し、大意をつかみ、概要や要点を把握し、5W1Hについて情報を得る力を確かめます。

英作文については、語彙や文法の力を必要とするだけでなく、自分で英語を書ける力も求められます。
出題レベルは、中学校の学習指導要領のレベルを超えることはありません。中学校の英語を十分に身に着けていることが大切です。それが私たちの関心事であり、受験生諸君の目標であると言えるでしょう。

数学

入学試験では、中学校の授業で習った基本的なことがらがしっかりと身に付いているかどうか、入学後の学習に必要な知識・考え方などが十分修得されているかどうかということを確認します。

過去の問題からわかると思いますが、出題の傾向は次の通りです。まず、因数分解・方程式や図形・確率についての基本計算問題。これらは全問正解を期待しています。次に関数とそのグラフについての問題。入学後も関数とグラフの考え方は大切です。さらに、図形についての証明と計算問題。高校でも図形の証明があります。そのための基礎知識と論理的な証明を記述する力が試されます。そして、主として連立方程式に関する文章題。文章から式をつくりそれを解くという総合的な能力を見る問題です。

このように、出題にあたっては特に変わったものは出さず、中学校で習ったことがらが理解されていて、それらが高校の学習にあたって十分に使いこなせるかどうかを判断することを主眼としています。

また、採点のときには、部分点を与えて、受験生の能力をなるべく詳しく判断しようとしています。

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