高等科 家庭

教育目標

  • 日本のライフスタイルの変化に伴い、家庭科の教育内容は男女を問わずその重要性を増している。仕事につかない、結婚しない、結婚しても共働きで子どもはもたない、これらが少子高齢化に拍車をかける時代においては、両親の介護一つとっても昔のように女性だけが担うのではなく、男性も関わる深刻な問題となってきている。 消費者を取り巻く環境も日々、複雑化しており、キャッシュレス時代の到来には、それなりの知識をもち、自己防衛することが大切である。
    このような現状を軸に、家庭科を学ぶ最後の機会となる高等科 1 年生に、できるだけ身近な問題として、各分野の内容を受け止めてもらいたい。

必修

高1
家族 自分の生い立ちや家族のことを語らせたり、書かせることは、高1では難しくなってきているため、この分野では自分、両親、祖父母世代の兄弟数の変化から少子化傾向がはっきりしてきたことを感じてもらい、また高等科入学にあたり自分にかけられている教育費と向き合うことにより、子育てを少し、客観的に考える糸口としている。
被服 ①講義は衣服の機能の理解から洗濯・保管まで、できるだけ日常に使える形で説明することを心がけている。
②トートバッグへのステンシル染色、ネクタイ製作、簡単な織物実習を通じ、素材の特徴を理解してもらう。そして、自分の作ったものを実生活で使うことを目標とする。
③キャンパス内の桜の落ち葉を拾い、煮出した染液で草木染めを行う。 桜の葉が和菓子に使われることもあわせて説明し、日本文化への理解を深める。
食物 ①講義は現代の食生活と生活習慣病をテーマに食事の取り方を質、量、時間などの面から説明している。さらに調理は「食品化学」であることもわかりやすく講義内容に入れている。
② IHが完備された総合教室で調理実習を年に4回行っている。世界から注目される和食を今後、日常生活の中で自ら取り入れられるように、炊飯、出汁の取り方から米粉、きな粉を使った和菓子作りまで、その礎となる実習を組むように心がけている。
③ 2016年から地域振興の一環として、江戸東京野菜に認定された「内藤とうがらし」と 「内藤かぼちゃ」を学習院各科で授業にとり入れることになった。高等科では食育として、調理実習の食材に用いている。
住居 この分野は、家庭内のヒヤリハットに目を向け、主に、幼児と高齢者にとっての危険箇所を確認するにとどまっている。
経済 携帯電話を持つことが当たり前になり、パソコンだけでなく、携帯による架空請求、フィッシング詐欺の被害に遭う確率も増しているのが現状である。高1の最初の授業では、これらを題材に、消費者としての自覚を促し、また被害に遭わない対策、遭ってしまった時の対応を指導している。 成年年齢が18歳に引き下げられ、高等科生でありながら契約社会での責任が増すことを強調しながら、悪徳商法の手口、ローンの組まれ方、そして、実際に分割払いやリボルビング払いの計算を通して自己破産が別世界のことではないと実感させている。
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