【337頁】
中小企業におけるワーク・ライフ・バランス*
脇坂 明
1 はじめに
本論文は,中小企業におけるWLB(Work Life Balance)施策について分析する。WLBは大企業では可能であっても,中小企業では難しいといわれる。その実態が知りたい。WLBは「win-win」がポイントであるので,女性の活用もあわせて考察しないといけない。ゆえに男女均等とあわせて論じる。
中小企業のWLBに関する先行研究としては,東京商工会議所人口問題委員会(2007)などがある。また中小企業を対象としていないが,男女の均等とWLB(正確には,ファミリー・フレンドリー施策)との関係をみたものに,脇坂(2006a),脇坂(2007b),脇坂(2008a),脇坂(2008b)がある。
脇坂(2006a)では,ニッセイ基礎研究所が2005年に行った調査によるデータ(ニッセイ・データ)を用いて,4象限分析により(図1),均等とファミリー・フレンドリー(Family-friendly以下,ファミフレと略)の度合が高い企業は一人当たり経常利益が大きいことを明らかにした。
脇坂(2007b),脇坂(2008a)で用いた2006年に行われた労働政策・労働研修機構(JILPT)調査は,ニッセイ・データをサンプル数で大きく上回り,なおかつ管理職,一般社員とそれぞれ企業回答がマッチングできるようになっている。このJILPTによる「仕事と家庭の両立支援にかかわる調査」は,業種・規模別に層化無作為抽出した企業調査(全国の従業員数300人以【338頁】上の企業6000社)と管理職調査および従業員調査からなる。企業調査の有効回収数は,863社(有効回収率,14.3%)である。
企業調査から,表1の下記項目を用いて,均等とファミフレの度合いの指標を作成した。
脇坂(2007b)において,図1のように,それぞれの高低から平均をX軸,Y軸として4つの象限を作成した。第一象限の均等もファミフレも高い企業を「本格活用」企業,第二象限の均等は低いがファミフレが高い企業を「ファミフレ先行」企業,第四象限の均等は高いがファミフレが低い企業を「均等先行」企業,均等もファミフレも低い企業を「男性優先」企業と,呼んだ。それぞれの象限の企業の特徴をみて,どの象限が,企業パフォーマンスへの効果やWLB施策の効果が大きいかをみた。
財務パフォーマンスなどへの効果をみると,ほとんどの項目において「本格活用」企業のパフォーマンスが良い。回帰分析の結果をみても,係数はほとんど正であり,均等,ファミフレが充実してパフォーマンスへの効果が少なくとも負であるとは考えられない。
このように300人以上企業で「ウィン-ウィン」は示されたが,中小企業における状況が知りたい。
2 大阪データによる均等度,ファミフレ度の作成と企業パフォーマンス
本論文で用いるデータは,筆者もメンバーの一人である「育児支援と企業経営に関する研究会」(代表川口章同志社大学教授)による企業へのアンケート調査(「育児支援と企業経営にかかわる調査」)である。2007年9月に大阪商工会議所加盟企業のうち,社員数30-100人未満企業3089社からランダムに抽出した1313社と社員数100-1000人未満企業すべての2187社,合計3500社に配布した。428企業の有効回答をえた(回収率12.2%)。従業員数のわかる379社のうち,中小企業である300人以下の企業は338社を分析対象とする。
JILPTデータの分析にならって,均等とファミフレの度合いを作成した。詳細は付録にある。JILPT調査と共通の設問とそうでないものがあるが,共通のものや類似のものは,JILPT調査【339頁】による指標(脇坂2007b)とできるだけ同じ点数化をした。表1のうち(ウ),(エ),(オ),(コ)の設問がない。(サ)のなかの育休制度の内容がなく,(ア)と(ケ)の項目数や設問が少し異なる。
なお付録にあるように均等とファミフレの,それぞれの制度(取組)と実態の点数配分が,均等指標とファミフレ指標で同じになっていないが,これはJILPTデータで行った個別指標の点数と同じにしたためである。全体への影響はほとんどないものと思われる。
大阪データの均等度,ファミフレ度の中位値で分けて4つの象限を作成した。それぞれの象限の企業の特徴をみて,どの象限がパフォーマンスへの効果やWLBへの効果が大きいかをみる。
2-1 均等度,ファミフレ度の概要
付録にあるように,均等度は70点満点,ファミフレ度は75点満点で作成したが,結果は,均等度が平均43.1,最小3,最大68,ファミフレ度が平均22.1,最小1,最大59であった。JILPTデータによる指標では,均等度は105点満点,ファミフレ度は89点満点で,均等度の平均が70.6,ファミフレ度が平均41.6であった。これと比べると,作成項目が異なるところもあるが,大阪データの中小企業では,均等はそれほどではないが,とくにファミフレ度が全体として低いことがわかる。
制度・取組と実態別にみると,まず制度・取組では,均等度が(55点満点)平均35.0,最小0,最大55,ファミフレ度が(44点満点)平均17.9,最小0,最大38である。実態では,均等度が(15点満点)平均8.1,最小3,最大15,ファミフレ度が(31点満点) 平均4.2,最小0,最大23である。これらから,実態としてファミフレになっていない中小企業が多いことがわかる。
2-1-1 規模別
表2により規模別にみると(注1),まず均等度は,30人未満企業がもっとも低いが,30人以上では,大きな差はない。もっとも高いのは100-300人規模企業で,301人以上企業よりも高い。これに対して,ファミフレ度については,規模が大きくなると高くなる結果となった。大阪データで規模別に変動係数をみると,ファミフレ度は規模が小さくなるにつれて大きくなる。つまり,小規模企業は均等,ファミフレ度の平均は低いが,すべての企業が進んでいないのではなく,非常に遅れた企業と非常に進んだ企業の双方が存在する。
【340頁】
一般的には規模が大きくなるとファミフレ制度を導入しやすい。事業所内保育所の設置・運営など「規模の経済」がはたらくからである。そこで少しでも調整するために,ファミフレの実態度だけをみると,30人未満の企業がもっとも低いわけではない。平均3.71と30〜49人企業の3.07より高い。しかし全体としては規模が小さいほどファミフレ実態度も低い。しかし,ここでもバラツキを表す変動係数をみると規模の小さい企業ほど大きく,小企業は多様であることがわかる。
2-1-2 業種別
表3で業種別にみると,均等度については,小売業,飲食店が47.3点ともっとも高く,サービス業がそれにつぐ。もっとも低いのは,運輸・通信業で,建設業,製造業も低い。ファミフレ度については,ここでも小売業,飲食店が26.3点ともっとも高く,建設業がそれについで高い。ファミフレ度のもっとも低いのは,均等度と同じく運輸・通信業である。この調査で相対的にサンプル数の多い卸売業は,均等度もファミフレ度も平均なみである。
【341頁】
変動係数でバラツキをみると,運輸・通信業が均等,ファミフレとも大きい。この運輸業と通信業では,女性活用が大きく異なることが知られている。表3は業種分類をサンプル数にあわせた括りの結果を示しているが,サンプル数は少なくなっても括らない形の産業大分類別にもみた。
そこでは小売業より飲食店(3社)が均等度もファミフレ度もかなり高い(小売業 45.6,25.7;飲食店 52.3,30.3)。また通信業(2社)は,均等度は平均なみで運輸業より高いがファミフレ度は低い。
2-1-3 JILPT調査との比較
JILPT調査と比較することにより,301人以上の大企業の結果と,大阪データの300人以下の中小企業を比較したい。サンプルの対象や抽出方法が異なるし,均等指標やファミフレ指標も完全には同じでないので,あくまでおおざっぱな比較で参考程度のものである。しかし,現在のところ,大企業,中小企業両方をみるデータがないので,比較は意味があろう。この項だけでなく,この論文の以下でおこなう比較も,あくまで中小企業の特質を大雑把にみるためのものである。
JILPTデータでは,建設業が均等もファミフレも低かったが,大阪データでは,建設業は,均等度は低いがファミフレが高い産業となった。ただし一般的な中小企業の結果であると断定【342頁】するには慎重でなければならない。
JILPTデータでも運輸・通信業が均等度もファミフレ度も低かったが,運輸業と通信業に分けると様相が異なる。運輸業は均等もファミフレも最も低い業種だが,通信業(6社)は,均等が平均より高く,ファミフレ度も上位に属する。大阪データ(中小企業)では通信業のファミフレ度が低かったが,ここが異なる。もっとも異なるのは飲食店である。JILPTデータでは3社という小サンプル数であるが,均等度もファミフレ度も平均を大きく下回る。大阪データ(中小企業)では均等度もファミフレ度も高い。サンプル数が少ないため(とくに)飲食店のなかの大企業と中小企業の差ということには慎重でなければならないが,興味ふかい結果である。
2-2 4象限の作成
4つの象限は,300人以下の企業における均等度,ファミフレ度それぞれの中位値(均等度43点,ファミフレ度22点)で分けて作成した。
象限別に均等度,ファミフレ度をみると,「本格活用企業」は均等度で「均等先行企業」より高く,ファミフレ度でも「ファミフレ先行企業」よりやや高い。こういったサンプルである。
この4つの象限にある規模,業種の分布をみよう(付表1)。各象限の平均従業員数をみると「ファミフレ先行企業」が101人ともっとも多く,「男性優先型企業」(55人)がもっとも少ない。「本格活用企業」は平均90人とやや規模の大きい企業が多い。しかし大規模だからファミフレが進んでいるわけではない。ファミフレ度が平均以上の企業のなかに,50人未満の企業が3-4割存在する。
業種別にみると(付表2),「本格活用企業」が相対的に多いのは,小売業・飲食店,サービス業,「ファミフレ先行企業」に多いのは,建設業,製造業,「均等先行企業」に多いのは卸売業,そして「男性優先企業」が多いのは運輸通信業(製造業・建設業)である。
労働組合のある企業は「ファミフレ先行企業」に多い(26.3%)。うち女性組合役員のいる企業も「ファミフレ先行企業」に多い(付表3)。
総じて「ファミフレ先行企業」に製造業が多く,従業員規模も相対的に大きい。この結果はJILPTデータと同じだが,建設業に「ファミフレ先行企業」が多いことは特徴的な結果である。
具体的な分析に入る前に,次世代行動計画の策定と象限との関係をみよう。2003 年7月に公布された次世代育成支援対策推進法は,301人以上の労働者を常時雇用する事業主に対して,仕事と子育ての両立のための「次世代育成支援対策」を盛り込んだ行動計画を策定し,2005年4月1日以降速やかに,行動計画を策定した旨を都道府県労働局へ提出しなくてはならないと定めている。しかし300人以下の企業については努力義務である。それぞれの象限の中小企業がどのくらい行動計画を策定しているであろうか。
大阪データの中小企業のうち6.8%の企業が策定しているが,「本格活用企業」が14.3%と断然多い(付表4)。「ファミフレ先行企業」は10.2%である。「男性優先企業」は0.9%(1社)にすぎない。ファミフレだけでなく均等が充実すると行動計画を作成する可能性が高い。行動計画を策定した企業の均等度,ファミフレ度の平均は,49.0点,30.6点で,策定していない企業の42.6点,21.5点を大きく上回る。とくに「本格活用企業」の策定企業は,54.5点,34.4点である。
2-3 企業業績への効果
この項では,企業パフォーマンスとの関係と業績向上の具体的な効果について,4つの象限【343頁】ごとにみる。
2-3-1 財務パフォーマンスとの関係
財務変数である売上高や経常利益についての回答企業数は少なくなり,売上高については257社,経常利益については238社である。このなかで一人当たり売上げ,一人当たり経常利益について,並外れて大きい企業があり,平均値を押し上げてしまう。そこで,それぞれの上位2社,計3社(1社重複)を除き,売上高については254社,経常利益については235社を分析対象とする。これは,この項だけで,ほかの項は338社あるいは335社の分析となる。
表4で結果をみると,一人当たり売上げ,一人当たり経常利益の双方とも,均等もファミフレも高い「本格活用企業」がもっとも高くなった。これは先行研究と同じで結果である。ところが,第二位にきたのが双方とも「男性優先企業」である。一人当たり売上げなどは,「本格活用企業」と変わらない。また「均等先行企業」が,どちらもかなり低いことが特徴である。これらの結果は,300人以上企業を対象にした先行研究の結果と異なる。
「本格活用企業」が他の象限の企業より高いかどうかt検定をおこなうと,一人あたり売上げは有意でないが,一人当たり経常利益は有意である(10%水準有意)。
均等度,ファミフレ度が財務パフォーマンスに影響するか否かをOLS(最小二乗法)で推定する。規模と業種でコントロールした。結果は,一人当り売上にはファミフレ度,均等度のどちらも影響しないが,一人当り経常利益にはファミフレ度が正で有意にきいた(5%水準)。ファミフレ度が1点上がると,一人当り経常利益は6%上がる。
第一象限の「本格活用企業」が高いのは,規模や業種が影響しているかもしれない。業種の性質上,売上げや利益が平均より高いこともあろう(一人当たりであっても)。規模についても同じことがいえる。そこで規模と業種でコントロールし,財務パフォーマスを被説明変数に,説明変数として第一象限ダミーの効果をOLSで推定した。記述統計量は付表5にある。
【344頁】均等・ファミフレの効果をみるときに,第一象限の「本格活用企業」がプラスの効果をもつかどうかを2つのやり方でみた。ひとつは,第一象限ダミーだけをいれて,その係数が有意であるかどうかをみる〈1〉。ほかの象限にある企業にくらべて有意な効果をもっているかどうかをみるものである。もう一つは,均等とファミフレの相乗作用の効果があるかどうかをみるものである〈2〉。
パフォーマンス=a + b(Q1+Q2) + c(Q1+Q4) + dQ1 +(規模・業種)
Q1:第一象限ダミー,Q2:第二象限ダミー,Q4:第四象限ダミー
上の推定式における係数dが,均等とファミフレの相乗作用の効果になる。
推定結果を,まず〈1〉について表5でみると,一人当たり売上げには,第一象限ダミーはわずかにきかない(p>|t|=0.124)。しかし,一人当り経常利益に対しては有意に正である(5%水準)。そのほかの象限の企業よりも,129%高い。ところが〈2〉についての結果を付表6でみると,一人当たり売上げは,第一象限ダミーの相乗効果は,正で有意である(5%水準)。一方,一人当り経常利益に対しては逆に有意でなくなる(注2)。
【345頁】
2-3-2 その他のパフォーマンス指標との関係
客観データである財務データ以外の3つの主観データのパフォーマンスとの関係をみる。335社(中小企業338社から上記3社を除く)についての分析をおこなう。
同業他社との比較
同業他社と比べたパフォーマンスの状況をみると,売上・経常利益・生産性のどれも「ファミフレ先行企業」がもっとも高い(付表7)。この結果は,JILPTデータを分析した脇坂(2007b)(2008a)と大きく異なる点である。そこでは「本格先行企業」がどれもが断然高いが,大阪データでは「本格活用企業」は第一位どころか,すべて平均を下回る。財務データでは「本格活用企業」が高くても,主観データでは低くなるという結果は,中小企業特有の何かがあるのかもしれない。
中小企業で「本格活用企業」の同業他社に対する主観スコアが低くなるのは,準拠集団が「中小企業」でなく大企業や中堅企業になっているのかもしれない。ほかの象限にある中小企業が比べる相手が「中小企業」であれば,この解釈は正しいかもしれない。しかしt検定をおこなうと,「ファミフレ先行企業」は有意には高くない。
335社のサンプルで,規模,業種でコントロールして順序プロビットで推定してみると,売上・経常利益・生産性のどれについても,均等度,ファミフレ度,第一象限ダミーや第二象限ダミーのどれも有意でない。この結果から,「ファミフレ先行企業」における同業他社の主観スコアが高いのは,そう回答しやすい規模,業種の企業が多い可能性が大きい。
ただ,なぜ特定の業種や規模にある企業の同業他社の主観スコアが高くなるのであろうか。業種別,規模別にみると,規模による差は売上げを除き,さほどない。ところが業種別にみると,3つの指標とも建設業が断然高く平均を上回る。建設業では売上3.40(平均2.94),経常利益3.16(2.77),生産性3.08(2.69)となっている。2-2の項で「ファミフレ先行企業」に建設業が多いことを述べたが,その建設業で同業他社の主観スコアを押し上げている可能性が大きい。しかし,その理由はわからない。
採用状況
「採用の容易さ」はWLBの効果の一つである。「新卒採用」と「中途採用」の正社員の採用状況について,ここ2年間の採用の容易さを5点法で尋ねた。「採用していない」1点,「非常に困難だった」2点,「やや困難だった」3点,「やや容易だった」4点,「容易だった」5点とした(定義1)。この点数化では,「採用していない」という回答を「採用できなかった」と解釈した。つまり「労働需要がなくて採用していない」企業は,「無回答」だと仮定した。しかし,「無回答」は少なく,「採用していない」企業のなかには,そもそも「労働需要がなくて採用していない」企業があるかもしれない。この2つを判別できないので,「採用していない」企業を除いて2〜5点で採用の容易さをパフォーマンスとしてスコア化した(定義2)。
335社についての結果を付表8で象限別にみると,中途採用の(定義2)を除き,「本格活用企業」がもっとも良い。中途採用の(定義2)についても第2位であり,「本格活用企業」の採用状況は良い。
規模,業種でコントロールして順序プロビットで推定すると,「採用の容易さ」(定義1)の【346頁】指標では,新規採用において均等度(1%水準),ファミフレ度(10%水準)が有意であり,「本格活用企業」も有意である(10%水準)。中途採用には,均等度,ファミフレ度は有意でなく,有意な象限もない。
(定義2)の「採用の容易さ」の指標では,まず新規採用において均等度(5%水準),ファミフレ度(10%水準)が有意であり,「本格活用企業」も有意である(5%水準)。中途採用には,均等度,ファミフレ度は有意でない。
うえの「本格活用企業」ダミーの結果は,〈1〉による第一象限ダミーのみをいれた結果である。財務パフォーマンスのところと同じように,均等,ファミフレの相乗効果があるかどうかをみると,新卒採用の(定義1)で有意であった第一象限が,有意でなくなる。ほかのものもすべて有意でない。
2年前との比較
2年前との比較をみると(付表9),売上げについては「本格活用」企業がもっとも上昇度合いが高いが,経常利益と生産性については「ファミフレ先行企業」の上昇度合いがもっとも高い。しかしt検定をおこなうと,どれも有意には高くない。
業種,規模でコントロールした回帰分析をおこなうと,ファミフレ度が,経常利益の伸び(10%水準)や生産性の伸び(5%水準)に有意な正の効果をもつ。「本格活用企業」ダミーは有意でない。〈2〉による相乗効果の推定のときに,生産性の伸びに関して負である。
ここまでを表6でまとめると,財務データを除き,「本格活用企業」よりも「ファミフレ先行企業」のパフォーマンスが良い。変動係数でみても,おおむね「ファミフレ先行企業」は小【347頁】さくパラツキが小さいことがわかる。規模,業種でコントロールした回帰分析をおこなうと,有意なものは少なく,「本格活用企業」が一人当たり経常利益に正の効果をもつことと,ここ2年の「採用の容易さ」に正の効果をもつ。均等とファミフレの相乗効果をみると,一人当たり売上げにのみ正の効果をもつ。
2-3-3 ファミフレの具体的効果
ファミフレが業績を高める具体的なルートや効果を13項目尋ねた。たとえば,ファミフレの狙いとして「採用で優秀な人材を集める」があったかどうか尋ね,その狙いがあった企業に,これまでに得られた効果として,効果が「大いにあった」「ややあった」「なかった」を回答させている。ここでは,13項目のそれぞれに,「大いにあった」2点,「ややあった」1点を与え,効果の「なかった」企業や狙ってなかった企業に0点を与える。それぞれの項目と13項目の合計(26点満点)を指標として,効果をみる。
表7で結果をみると,13項目のうち3項目をのぞき,「本格活用企業」の効果のスコアがもっとも大きい。その結果,効果合計点もトップである。「採用で優秀な人材を集める」効果も,「本格活用企業」が断然高く,「ファミフレ先行企業」を上回る。「2-3-1」の項における「採用の容易さ」の結果と同じく,「本格活用企業」は「優秀な人材の採用」には成功している。「男性従業員の定着率を高める」「男性従業員の帰属意識を高める」「男性従業員の勤労意欲を高める」「職場の人間関係が向上する」の4項目で「ファミフレ先行企業」がトップである。
【348頁】それぞれの項目について,「本格活用企業」が有意に高いかどうかt検定をおこなうと,「男性従業員の帰属意識を高める」を除き,すべて有意である(「ファミフレ先行企業」がトップの項目以外,すべて1%水準で有意)。
つぎに狙いとした割合を象限別にみる。「男性従業員の定着率を高める」「男性従業員の帰属意識を高める」「男性従業員の勤労意欲を高める」「職場の人間関係が向上する」「仕事のやり方を見直すことで効率が改善する」の5項目で「ファミフレ先行企業」がトップで,そのほかの8項目で「本格活用企業」がトップである。「ファミフレ先行企業」は相対的に男性従業員をターゲットとし,「本格活用企業」は平均より高いがそれほど高くないことがわかる。
そして狙いとした企業のサンプルだけにして,その効果を「大いにあった」2点,「ややあった」1点,「なかった」企業に0点を与える。この指標では,「本格活用企業」がトップのものと「ファミフレ先行企業」がトップのものと半々にわかれる。ただ,それぞれの効果で大きな差はない。
具体的な業績向上のルートとなる項目をみると,おおむね「本格活用企業」がもっとも効果をあげているといえる。「ファミフレ」施策のみで効果があがるわけではない。「ファミフレ先行企業」の数値がそれを物語る。「均等」とセットがポイントである。
3 ファミフレと企業パフォーマンス以外の指標との関係
3-1 労働時間適正化策および有休消化率とファミフレ
ファミフレ(および均等)と長時間労働対策との関係をみよう。これらはWLB施策の1階部分とも考えられるからである(脇坂 2006a)。
長時間労働に関する設問には有休消化率がある。ところが,有休消化率への回答企業は273社に減る。有給消化率(平均36.9%)を象限別にみると,「本格活用企業」が42.6%とトップで,「男性優先企業」が29.3%と最下位である。t検定をおこなうと,「本格活用企業」は1%水準で有意に高い。
つぎに年休取得促進策の実施をみると,これは無回答が3.8%と少ない。年休取得促進策7項目のうち「連続取得の奨励」はじめ6項目で「本格活用企業」がもっとも多い(表8)。とくに「一斉年休の導入」を27.6%の企業が実施している。「仕事量,仕事の進め方の見直し」でのみ「ファミフレ先行企業」がもっとも多い。ただ「本格活用企業」も23.5%と変わらない。「男性優先型企業」はすべての推進策で実施割合が低く,6割もの企業が「特段の取組をしていない」。
【349頁】
また労働時間適正化のための施策の実施について12項目の設問を用意した。これらに対する無回答は0.9%と少ない。表9によると,適正化施策12項目のうち9項目について「本格活用企業」において,もっとも実施割合が高い。たとえばノー残業デーなどの「定時退社時の実施」は,平均15.1%にたいし,「本格活用企業」では22.4%が実施している。「均等先行企業」は,「残業点検のための職場巡回」が10.0%(平均5.3%)ともっとも多い。「ファミフレ先行企業」では,「管理職の事前指示による残業のルール化」(54.2%;平均41.4%)と「仕事量,仕事の進め方の見直し」(49.1%;平均39.9%)がもっとも多い。「男性優先型企業」は実施割合が低く,26.1%の企業が「特段の取組をしていない」。
【350頁】
年休取得促進策と労働時間適正化のための施策の実施の項目について,t検定をおこなうと,「本格活用企業」は,14項目について有意,7項目について有意に高くはない。3分の2の項目について「本格活用企業」が高い。
総合すると,やはり「本格活用企業」において,労働時間対策がなされており,結果,有休消化率も低くなっている。ただ,「本格活用企業」でも有休消化率は42.6%と5割をきっていることも事実である。
3-2 ファミフレと自己啓発支援との関係
ファミフレはWLBに含まれるが,ファミフレでないWLBの代表的なものに,企業の自己啓発に対する支援がある。自己啓発支援の4項目は,公的資格取得支援(47.9%),留学制度(1.2%),通信教育支援(20.7%),教育訓練休暇(10.1%)である。
表10で象限別にみると,「本格活用企業」が,「通信教育支援」(32.7%)と「教育訓練休暇」(15.3%)がもっとも高い。留学制度はほとんどの中小企業にないが,「均等先行企業」で2.9%(2社)ともっとも高いが,「本格活用企業」も2.0%(2社)である。公的資格支援制度は,「ファミフレ先行企業」が59.3%ともっとも高いが,「本格活用企業」も59.1%とほぼ同じである。t検定をおこなうと,「本格活用企業」は,留学制度をのぞき,有意に高い。「本格活用企業」は,従業員の能力を向上させることにも熱心である。
【351頁】
3-3 男女間賃金格差
男女間賃金格差(平均年収の男女比率:女性年収÷男性年収)はどうなっているであろうか。付録で作成した均等度には,この男女間賃金格差が含まれていない。均等への取組や(給与以外の)実態がどのように賃金格差につながっているかをみることになる。「平均年収」への記入割合が少ないので,サンプル数は166社になる。
表11で結果をみると,「均等先行企業」が0.79ともっとも格差が少ない(平均0.72)。「本格活用企業」は0.75と平均より格差が小さいが第二位である。「ファミフレ先行企業」「男性優先企業」は0.68とかなり低い。t検定をおこなうと「均等先行企業」は1%水準で有意に高い。均等への取組や(給与以外の)実態が,年収の差にあらわれているといえよう。
「本格活用企業」が「均等先行企業」より男女間格差が大きいという事実は,つぎのように考えられる。均等だけでなくファミフレも進むと,女性の賃金は,育児休業制度の取得などの影響で,相対的に低くなっているという可能性である。
じっさい過去3年間におけるファミフレ制度の利用者の有無をみると,育児休業制度では,「本格活用企業」が57.1%,「均等先行企業」が18.6%の企業に利用がある。大きな差である。あと主たるファミフレ制度の利用をあげると,「子育て中の短時間勤務制度」(36.7%,5.7%),「子育て中の始業・終業時刻の繰り上げ・繰り下げ」(30.6%,2.9%),「子供の看護休暇」(13.3%,2.9%)である。利用者の人数はわからないが,少なくない女性が利用していれば賃金に影響するであろう。
3-4 昇進
昇進については,「課長相当職以上」(以下,課長と略)の人数を男女別に尋ねている。昇進をはかる指標としては,女性課長登用比が良い(脇坂2008a)。女性課長登用比は,(女性課【352頁】長÷女性)÷(男性課長÷男性)であらわされ,これが1であれば昇進に関しては男女全く平等で,1より大きければ女性優遇,1より小さいと男性優遇の登用施策を企業が行っている。男女それぞれの課長の人数に回答があった企業だけでみる。課長数の記入割合が低いので,サンプル数は268社となる(ただし男性課長0名の記入の2社は,この指標が成立しないので,266社となる)。なお女性課長のいる中小企業は131社と半数を切る。
表12で象限別に女性課長登用比の平均をみると,「均等先行企業」で0.36ともっとも高い。「本格活用企業」は平均をやや下回る。意外にも「男性優先企業」の平均がかなり高い。ただし,これは一部の企業が平均を押し上げている可能性があるので,中位値をみると,「男性優先企業」はゼロで,半分以上の企業に女性課長がいない。またt検定では「均等先行企業」は有意に高くない。
均等の実態に関する象限別の指標値を表12の3行目以降に掲載したが,「均等先行企業」が男女間平均年齢差は小さいが,昇進に影響すると思われる男女間勤続年数差は「本格活用企業」がもっとも小さい。男女間賃金格差と同じで,「本格活用企業」で育児休業などを利用する女性従業員が多いことなどが影響していると考えられる。
3-4-1 女性管理職比率との関係
よく用いられる女性管理職比率(=女性管理職数/管理職総数)をみてみよう。平均8.9%であるが,当然,中位値は0である。表13で象限別にみると,「均等先行企業」が16.0%とだんぜん高く,「本格活用企業」は平均なみである。t検定でも,「均等先行企業」は1%水準で有意に高い。
【353頁】
表14で規模別にみると,規模が小さいほど女性管理職比率が高い。30人未満で14.3%と平均を大きく上回る。また標準偏差も30人未満でかなり大きい(中小企業白書2006年版(232頁)の結果と同じ)。ただし変動係数では100-300人規模企業のバラツキがもっとも大きい。
またこれを上記の管理職登用比でみると,平均もバラツキも50-99人規模でもっとも大きい。どの指標かを使用するかにより,結果が異なるので,「小規模ほど多様である」とは簡単にはいえない。
3-4 女性管理職比率と女性の働きやすさ
「中小企業白書2006年版」(232-3頁)では,女性管理職比率の高い中小企業では,女性の育児と仕事が両立しやすいとしている。大阪データではどうであろうか。両立に関しては,ファミフレの実態度で用いた下記設問が,もっとも適切な指標であろう。
「6」に回答した企業の割合でみてみよう。女性管理職比率40%未満までは,比率が高いほど,「6」の女性は「出産後,育児休業を利用して,継続就業する」の割合が高い(表15)。ところが40%以上になると,「6」の割合は20%と低くなる。それは,40%以上の企業には「均等先行企業」が多いためである(20社のうち9社)。均等とファミフレを,からめて議論しな【354頁】いと,しばしばミスリーデイングな結論を導き出す危険性がある。
女性管理職比率ではなく,管理職登用比と上記「6」の関係をみよう(表16)。ここでは,登用比が高くなると,おおむね「6」の比率が上がる関係はみられるが,登用比0.8以上の企業では,「6」の比率が29.7%と下がる。やはり均等とファミフレを絡めて議論し,均等もファミフレも高い企業(「本格活用企業」)と均等は高いけれどもファミフレは低い企業(「均等先行企業」)とを区別して議論しなければならない。
3-5 パート,派遣などの比率との関係
それぞれの象限にある企業では,正社員以外の労働者をどのくらい活用しているのであろうか。指標として「パート等比率」と「派遣等比率」を用いる。前者は,「パート・アルバイト・契約社員・嘱託・期間工」の人数を正社員数で割ったもの,後者は「派遣社員・請負社員」数を正社員数で割ったものである。これらの比率は,通常のパート比率(パート÷(パート+正社員))と異なり,たんにパート等と正社員の比率である。そして「パート等比率」と「派遣等比率」を足し合わせた「正社員以外比率」も指標として用いる。
「3-3」の項と同じように,これらの比率も一部に異常に大きい企業があり,それが平均を押し上げているので,中位値と平均のギャップが大きい。たとえば「パート等比率」は中位値が0.16なのに対し,平均は0.71である。ただ「派遣等比率」の中位値がゼロなので,上記3つの指標は平均と中位値の両方をとる。
表17で象限別にみると,パート等比率が平均でもっとも高いのは,「本格活用企業」だが,中位値でみると「均等先行企業」である。「本格活用企業」におけるパート活用は,一部の企業で量的にも大きいが,全体としては平均をやや上回る程度である。いずれにしろ,均等の進【355頁】んでいる企業でパート活用が活発であることがわかる。
派遣等比率でみると,中位値はどの象限もゼロで,半数以上の企業が全く利用していないことがわかる。平均でみると,「均等先行企業」でもっとも高い。
この2つを足した「正社員以外比率」でみると,「均等先行企業」が,平均でも中位値でも,もっとも高い。「均等先行企業」は正社員以外の活用において,パート等についても派遣などについても熱心だが,「本格活用企業」は「均等先行企業」のレベルでは活用しておらず平均なみといえる。ただ比率は高くないが,正社員でない人数そのものは「本格活用企業」が多い。
3-6 人事制度との関係
職能資格制度や成果主義人事制度,あるいはWLBと関係あるフレックスタイム制度などの導入とそれぞれの象限はどのような関係にあるだろうか。
13の人事制度の導入の有無について尋ねたが,3つの制度を除き,すべて「本格活用企業」がトップである(表18)。とくに職務給制度,成果主義人事制度,目標管理制度,正社員転換制度の導入割合が高い。4割ぐらいの企業が成果主義人事制度や目標管理制度を導入している。従業員数が平均100人未満の「本格活用企業」でありながら導入割合が高い。「本格活用企業」がトップでない3つの人事制度は,「職能資格制度」「評価に対する苦情制度」「複線型人事制度」で,これはどれも「ファミフレ先行企業」で高い。「男性優先企業」の32.4%が,13のいずれの人事制度も導入していない。
t検定をおこなうと,9つの制度について,「本格活用企業」が有意に高い。「本格活用企業」になると,やはり人事制度を整備する企業が多いことがわかる。
【356頁】
3-7 会社設立年との関係
会社設立年との関係をみると,中位値では「本格活用企業」がもっとも若い(付表10-1)。ただし1990年以降の設立では,「均等先行企業」がもっとも多い。「ファミフレ先行企業」に老舗の企業が多いことも特徴である。
JILPTデータでも同じような結果になっており(付表10-2),「均等先行企業」や「本格活用企業」に若い企業が多い。
上記でみた大阪データで財務以外のパフォーマンスが相対的に良い事実に,「ファミフレ先行企業」に老舗の企業が多いことが関係しているのかもしれない。
3-8 労働組合の効果
労働組合のWLBなどに対する効果をみよう(付表3)。まず労働組合の存在は,「ファミフレ先行企業」に26.3%ともっとも多い(平均17.2%)。女性組合役員のいる企業も「ファミフレ先行企業」に16.9%ともっとも多い(平均10.9%)。
組合(女性組合役員)が存在することが,均等度やファミフレ度に効果をもつかどうか調べた。規模,業種でコントロールして最小自乗法で推定すると,組合ダミー(女性役員ダミー)は均等度,ファミフレ度ともに有意にならなかった。また財務パフォーマンスへの効果をみても,有意ではなかった。
中小企業では,組合の存在は効果をあげていないようである。
【357頁】
4 まとめ
4つの象限がパフォーマンスなどでどれがもっとも良い結果をあげていたかを,表19にまとめてみよう。
大阪データによると,「本格活用企業」は,財務や従業員の定着などに効果をあげている。ただJILPTで効果のあった「同業他社比較」スコアなどでは悪い。
労働時間対策や人事制度の整備,自己啓発にも「本格活用企業」が熱心であることがわかった。狭義のWLBである「ファミフレ」が充実している企業は,均等とあわさると,ファミフレでないWLBにも熱心であることがわかる。
男女間賃金格差や女性の昇進については,「本格活用企業」よりも「均等先行企業」のほうが良い結果であることがわかった。ただし,これは女性の育児休業利用者などの多さから,賃金や昇進にマイナスの影響があらわれていることが推測され,けっして,このこと自体が,直接,問題といえることではない。従業員の個別データをみて,どの程度,遅れているかの細かい分析が必要とされる(注3)。
参照文献
阿部正浩,黒澤昌子(2006)「両立支援と企業業績」両立支援と企業業績に関する研究会『両立支援と企業業績に関する研究会報告書』ニッセイ基礎研究所
阿部正浩,黒澤昌子(2008)「企業業績への影響」佐藤・武石編『人を活かす企業が伸びる』勁草書房
男女共同参画会議少子化と男女共同参画に関する専門調査会(2006)「両立支援・仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)推進が企業等に与える影響に関する報告書」
武石恵美子(2007)「ワーク・ライフ・バランス施策と従業員のモチベーション」『21世紀生活ビジョンに関する研究会報告書』電機総研
両立支援と企業業績に関する研究会(2005)『両立支援と企業業績に関する研究会報告書』ニッセイ基礎研究所
東京都男女平等参画審議会専門調査会(2008)「企業の実態に即したワーク・ライフ・バランスの推進について」
東京商工会議所 人口問題委員会(2007)「実践 中小企業におけるワーク・ライフ・バランス」
松原光代,脇坂明(2005)(2006)「米英における両立支援策と企業のパフォーマンス(T)(U)(V)」『学習院大学経済論集』41巻4号,42巻2号,4号
脇坂明(2006a)「ファミリー・フレンドリーな企業・職場とは--均等や企業業績との関係」【358頁】『季刊家計経済研究』71号(17-28)
脇坂明(2006b)「英国におけるワーク・ライフ・バランス」『学習院大学経済論集』43巻3号
脇坂明(2007a)「育児休職,育児短時間勤務と人事考課」『21世紀生活ビジョンに関する研究会報告書』電機総研 2007年4月
脇坂明(2007b)「均等,ファミフレが財務パフォーマンス,職場生産性に及ぼす影響」労働政策研究・研修機構『仕事と家庭の両立支援にかかわる調査』労働政策研究・研修機構 JILPT 調査シリーズNo.37
脇坂明(2008a)「均等,ファミフレが財務パフォーマンス,職場生産性に及ぼす影響:再論」『学習院大学経済論集』45巻2号
脇坂明(2008b)「均等度とファミフレ度との関係からみた企業業績」佐藤・武石編『人を活かす企業が伸びる』勁草書房
脇坂明(2008c)「英国におけるワーク・ライフ・バランス」佐藤博樹編『ワーク・ライフ・バランス』ぎょうせい
Wakisaka, Akira (2007), “Implementation
and Status of Work-Life Balance Viewed from Matching Data”, Japan Labor
Review, Vol.4, No.4 (7-35), Autumn 2007.
【359頁】
付表
【360頁】
【361頁】
【362頁】
【363頁】
【364頁】
〈付録〉
均等指標 70点
*取り組み(姿勢・方針)
問 貴社の経営トップが社内に示している正社員の人事管理上の経営方針として,次にあげる各項目について,当てはまる番号を一つ選び,○をつけてください。
問 現在貴社では,ポジティブ・アクションにかかわる以下の施策を実施していますか。次の各項目について,それぞれ当てはまる番号を一つ選び,○をつけてください。
【365頁】
*実態
女性比率 女性÷(男性+女性)
40%以上〜60%未満:5点 30%〜40%,60%〜70%:4点 15%〜30%,70%〜85%:3点 10%〜15%,85%〜90%:2点 10%未満,90%以上:1点 無回答:0点
平均年齢(男性—女性)
-1以上〜1以下:5点 -3〜-1未満,1超〜3未満:4点 -7〜-3未満,3〜7未満:3点 -10〜-7未満,7〜10未満:2点 -10未満,10以上:1点 無回答:0点
勤続年数(男性—女性)
0:5点 -2以上〜0未満,0超〜2以下:4点 -8〜-2未満,2超〜8未満:3点 -11〜-8未満,8〜11未満:2点 -11未満,11以上:1点 無回答:0点
ファミフレ指標 75点
*取組・方針
問 貴社の経営トップが社内に示している正社員の人事管理上の経営方針として,次にあげる各項目について,当てはまる番号を一つ選び,○をつけてください。
*制度
問 育児休業制度の導入状況についてうかがいます。
【366頁】
問 貴社では,現在,以下の出産・育児にかかわる支援制度がありますか。明文化された制度導入の有無の欄の当てはまる番号に○をつけてください。
*実態
問 貴社では,女性正社員の就業継続の状況として,次にあげるどのパターンが多いと思われますか。一番多いパターンを一つ選び,○をつけてください。
【367頁】問 明文化された制度の有無に関わらず,過去3年間の利用者について,それぞれ当てはまる番号を一つ選び,○をつけてください。明文化された制度がない場合でも,慣行として実施されている制度の利用者がいれば「いる」に○をつけてください。