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教員スタッフ紹介

山本 政人 教授 発達心理学  

<主要著書・論文>
「心理学のポイント」学文社 2000
「コミュニティ支援のカウンセリング」川島書房 2006





<研究分野>
 専門は発達心理学ですが、主に対象としてきたのは乳幼児で、赤ん坊から小学校に入る前までの子どもを見てきました。幼稚園、保育所、保健所などがフィールドで、今でもときどき通っています。乳幼児期は認知や言語の発達が著しい時期で、私の関心もそのあたりにあります。幼児は言っていることとやっていることがしばしば矛盾しますが、よくわかっているなあと感心することもあります。乳児のコミュニケーション発達、幼児の言語発達を主なテーマとしてきましたが、その後の子ども・若者のコミュニケーションにも関心を持っています。最近のネット環境の発展に伴う若者のコミュニケーションの変化には驚きと不安を感じますが、大人はいつの時代もそうなのかなと思います。子どもや若者のことが理解できず、不安を感じ、批判してしまうのです。しかしそれでは大人と子どもの間の溝は深まるばかりです。発達心理学はこの子どもや若者と大人の間にあるかもしれない溝を埋めることができるのではないかと思います。そして人間同士が理解しあうにはコミュニケーションが必要です。このコミュニケーションの発達について究めたいと思っています。

<私の授業>
 演習では心理学の論文をいろいろ読みます。少しむずかしいかもしれません。しかし本物です。これを知らずして心理学を学んだとは言えないと思います。面白いかと言うと、面白いかどうかは人それぞれでしょう。しかしどんな論文でも面白いところがあると思っています。それを見つけることが私の授業の目的です。もう一つ実用的な目的があります。それは心理学論文のスタイルを知ってもらうことです。心理学論文は、問題、目的、方法、結果、考察と非常に整然と、シンプルにまとめられています。内容は必ずしもシンプルではないかもしれませんが、明確な目的、方法そして結果を示すことが心理学論文の基本原則です。だらだら冗長な文章は心理学に限らず論文にはふさわしくありません。まずこのことを知ってもらい、将来卒業論文を書く際に生かしてもらいたいと思っています。
 発達心理学の講義では、乳幼児の発達に関する過去の研究を紹介しています。今となっては古い話です。20世紀初頭に子どもへの関心が高まり、子どもの研究が盛んに行われました。児童心理学はその中心的役割を担いました。20世紀後半になると少子高齢化などの社会の変化によって、青年、成人、高齢者の発達への関心が高まり、発達心理学が誕生しましたが、その中心はやはり児童心理学でした。20世紀末になると、児童虐待、不登校、いじめといった子どもの問題が深刻化し、再び子どもの発達への関心が高まりましたが、これらは子どもだけでなく、親、教師、仲間など子どもを取り巻く人々の問題でもあり、個体発達だけでなく関係の発達の研究が求められています。いずれにせよ、発達は長い道のりなので、長い目で見ることが重要だと思います。
<趣味・特技>
 小説?みたいなものを書くことが好きです。小説家が夢でした。自己満足で書いています。読者は自分です。趣味は旅行です。鉄道と寺、城、ミュージアム巡りが好きです。今まで行った中で特に気に入ったところを挙げると、寺は大徳寺真珠庵、城は備中松山城、ミュージアムは断トツで上野の国立。最近は地方の古いレストランやカフェを巡るのが好きです。孤独のグルメです。

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