学習院大学の法学部法学科は１学年の定員が250人であり、都内の私立大学の法学部としては決して大規模ではありません。しかし本学は毎年コンスタントに、法曹界へ優秀な人材を送り出してきました。その背景には、法的思考力を伸ばすことを重視した丁寧な指導と、それを可能にする充実した教育環境があります。今回法学科に設置される法曹コースは、法科大学院との連携協力を強化することにより、法曹を志す皆さんのバックアップ体制をより充実させるものです。
　持って生まれた資質がどれだけ優れていても、自らの力を伸ばそうとする向上心と、その力を社会に役立てようとする倫理感を有していなければ、優秀な法曹になることはできません。充実した少人数教育により、あなたの法曹としての可能性を広げていきましょう。多くの法曹志望の皆さんが本学法学部の法曹コースの門を叩いてくださることを期待しています。

この度、法学科は、法曹志望者等の法律を深く学びたい学生のために、法曹コースを設置しました。
　法曹コースに所属する学生は、数多くのメリットを享受することができます。第１に、法学の体系的な知識を確実に修得できます。法曹コースでは、法学の修得に不可欠な科目を必修科目として体系的に配置していますので、法曹コースに所属する皆さんの頭の中に、おのずと法学の体系が構築されていくことになります。第２に、法曹コースの学生を主たる対象とした演習を優先的に履修することができます。演習では、法的議論を自分の力で展開することができるようになるまで、皆さんを徹底的に鍛えあげますので、法の論理で相手を説得する力が確実に身につきます。第３に、勉強方法や進路に迷ったときには、個々の学生に付された担当教員が、個別の面談等を通じた丁寧な指導を行います。
　法曹コースは、法曹志望者はもちろんのこと、法的思考能力を発揮して社会の様々な分野で活躍したいと考える皆さんにとって、最高の選択肢であると確信しています。

「良き法曹」を育てるにはどうすれば良いか、法曹養成制度について様々な議論を経て、法科大学院そして法曹コース制度が始まりました。本法学部の法曹コースもいよいよスタートとなり、法学部と協力して法曹養成を行えることをうれしく思います。
　法曹としての「良さ」には様々な要素がありますし、それらの中で何を重視するかは立場や考え方によって異なるでしょう。ただ、世の中で比較的重視されがちな「法の知識」「周到な調査」「明確で説得的な論理展開」といった技術的な要素——これらが重要であることは言うまでもありませんが——とは別に、「正しく生きること」「人に優しいこと」「苦境にあってもへこたれない心の強さを持っていること」といった要素もあるように思います。
　正しさと優しさと心強さを備え日々努力することのできる方、最近流行りの漫画の主人公で言えば鬼滅の刃の竈門炭治郎のような方、そして、自分はこれからそのように生きていこうと決意した方、是非あなたのような方に法曹を目指して欲しいと思います。