2.学習院大学年代測定室について木越邦彦 放射性炭素14Cによる年代測定の研究は、本邦においては東京大学、理化学研究所および学習院大学による「放射性炭素による年代測定についての総合研究」により1954年にはじまり、1956年には理化学研究所で測定が行われるようになった。学習院大学では、W. F. Libbyが当時行っていた測定試料を炭素粉末としてGM計数管の内壁に塗る方法で測定する装置を購入した。しかし、装置の設置が終了した頃から核爆発実験により大気中の微粒子の中に高い放射能をもつものが増加したため、固体試料を用いてGM計数管で β 線を測定する方法は次第に行われなくなり、試料の炭素をガス化して β 線を測定する方法が一般に行われるようになってきた。 学習院大学でも試料をアセチレンとして比例計数管に充填して14Cを測定する方法に変更し、1958年には年代測定ができるようになった。はじめは測定値の信頼性をみるための実験が主であったが、1960年からは、測定結果を公開することを条件として、学外からの測定依頼を受けて年代測定を行うようになった。当初はRadiocarbon誌に測定結果を公表していた。(註(1)) その後、測定数の増加で公表が困難となり、これは中断した。第四紀関係の測定値は1976年1月までの測定値を第四紀総研がまとめたものが刊行されている。(註(2)) | ||||||
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- Link -
1.学習院大学年代測定室の測定結果と文書資料
2.学習院大学年代測定室について
3.14C年代測定法について
4.年代測定の結果について
5.文書資料について
6.文書資料(PDF)
7.測定結果(エクセル)
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