
高校生の頃から再生医療に興味があったため、病気治療の研究に携わる基礎を学ぶことができると考え、生命科学科に進みました。生命科学は動植物の生命現象やDNA、タンパク質など学べる分野が広いので探究心がかきたてられます。
2年生の「野外生命科学2」の授業では、遺伝子組換えダイズが使用されているかどうかを、実際に豆腐からDNAを抽出して調べるなど、植物科学の基礎となる知識、実験技術を学びました。初めて行う操作が多く大変でしたが、毎回新たな発見があり、とても充実していました。実験の最終日には、教授・先輩方が打ち上げの準備をして下さり、焼きそばを作ったり、ビンゴゲームをしたりと、とても楽しい思い出になりました。
将来は何らかの形で病気治療につながる研究に携わりたいという夢がありますが、現段階では1つに絞らず、より専門的な3年生の生命科学実験を通して、どの分野に進むか見極めたいと思っています。自分が興味を持った生命科学の知識で、医療の現場に立ち合わなくても病気の原因を究明し、治療の一端を担うことが出来たら嬉しいです。
大学に入る前は、ただ漠然とガンの研究がしてみたいと考えていました。大学の講義でDNAの傷を治す仕組みについて聞いた際に、人はガンにならないための仕組みを持っているのになぜガンになるのだろうと疑問に感じました。この仕組みというのがDNA損傷修復というものであり、まだわかっていないことがたくさんあります。この未知の仕組みに興味を持ち、研究に取組んでいます。
DNA損傷修復機構の存在は老化やガン化に密接に関わっており、DNA損傷修復機構は様々な生物間で保存されています。私は出芽酵母を用いて研究を行っていますが、出芽酵母にもヒトと同じような機構が多数保存されているため、出芽酵母でDNA損傷修復機構を研究することが、ヒトのガンや老化の研究へとつながっていくと考えています。
大学での講義や実験は、基本的に結果の分かっていることに取り組むことがほとんどでした。それに比べ、大学4年生で研究室配属された後から始まる研究では、まだ知られていないことに取り組むといった違いがあります。大学院では研究を中心とした生活を送っており、目標に向かい、試行錯誤しながら、未知のものに挑戦することこそが研究の醍醐味だと思っています。
食物アレルギーを持っていた為、食事に対する不信感が幼い時からあり、 その経験から安心して食べる事ができる「食」の提供に携わりたいと思っていました。中でも乳業会社は、赤ちゃんからご高齢の方までの全ての「食」に関われるので、現職は第一希望の業界でもありました。
学習院大学で学んだことで、現在も役に立っていることは2つあり、1つ目は「論理的に考える力」です。
食品製造では原料の物性を理解する事が重要になります。不溶解や凝縮物等が生じた際、何故このような結果になったのか原因を追究する論理的思考が必要になりますが、日々の研究生活でこれが身についたと思っています。
2つ目は「アレルギーに関する知識」です。アレルギーはお客様の健康に関わる非常に重要な問題です。免疫学の授業で得られた知識が、仕事上のアレルゲンの管理に活かせていると感じています。
学習院大学は、1つのキャンパスに全学部がまとまっているので、他学部の授業に参加出来るだけでなく学生同士の情報交換が可能です。1つの事柄に囚われずに視野を広げることができる、この環境が学習院大学の魅力だと思います。
※上記8名と西坂 崇之教授(物理学科)が大学院・生命科学専攻のメンバーです。