
中学の頃、習っていた先生に教えてもらったことがきっかけで、それまであまり興味のなかった数学を「面白い」と思うようになりました。興味のある分野を深く勉強したいと思い、大学も数学科に進学し、1年生のときには高校までの勉強よりも数学の奥深さを知ることができました。
様々な分野を学習し、先生方に丁寧に教えていただくうち、分野ごとのつながりや高校までの数学との関連性も見つけられるようになってきて、次第に勉強自体も楽しく感じられるようになりました。
必修科目では講義とセットで演習の授業があるのですが、演習では講義で先生に教わった知識を生かし、実際に問題を解いていきます。この時間は回りの友人と協力しながら進めていくので、難しい問題を一緒に解決できたときには非常に達成感があります。今から、4年生では是非、ゼミで整数論を学んでみたいと思っています。
現在、塾講師のアルバイトもしていますが、教えているときに生徒から「分かった!」という反応が返ってくると、とても嬉しく感じ、より教員への憧れが強くなります。
自分自身がそうであったように、いつか誰かに数学の面白さを教えたいと思っています。
大学院に進学して良かったと感じることは、勉強に対してより多くの時間を費やすことができることです。大学時代には卒業単位に加えて教職科目も履修していたので授業数も多く、さらに部活動にも所属していたので自分の興味にそった勉強をする時間がほとんどありませんでした。しかし大学院では、卒業単位も少なく部活動も無いので、研究に専念できる時間が格段に増えました。時間がある分、予習や復習をすることができ、大学の時よりもはるかに研究が充実しています。
また、やりがいに感じることも増え、その一つが大学4年生の指導に当たっていることです。教わる立場から教える立場になり、目線が変わると同じ内容でも新たに得られることもあり、自分自身の勉強にもなっています。
大学院では研究に対して多くの時間を割くことが出来る点に加えて、自主的に研究することが求められます。大学では必修科目の通りに数学に関する広い分野を学びましたが、大学院では自分の専門である分野を中心に履修を組むので、他大学の講義を履修したり、自分で修士論文に向けてのテーマを決めたりと、より自由に研究できる環境が整っていると実感しています。
現在、外資系コンピュータ会社で、クラウド事業のオペレーション・マネージャを務めています。
大学卒業後、外資系コンピュータ会社にソフトウェア・エンジニアとして入社し、大型コンピュータ・システムのソフトウェア開発業務に就きました。その後、公共事業のITシステム・エンジニア、ソフトウェア製品開発のマネージャ、経営企画のスタッフを経て、新規事業開発関連の業務に就いています。
大学時代の思い出として印象深いのは、4年次に選択した「数値解析」のゼミです。毎週のゼミでは教授の部屋で講義やアドバイスを受け、計算機センターでプログラム開発に取り組みました。授業やゼミを通してアイデアを形にするプログラミングの楽しさを知り、社会基盤となるITへの興味が育まれました。また、ゼミの合間に教授が煎れてくれるコーヒーをいただきながら会話を楽しんでいたことを思い出します。
学科の学生は総勢50名ほどでしたから、教授が主催する高尾山登山やみかん狩り等、楽しい思い出も沢山つくることができました。卒業後も長く繋がっていられるのは、この当時の親交のお陰だと思います。