今回はPANDIT DEENDAYAL PETROLEUM UNIVERSITYのDr. Rupakjyoti Borahを講師としてお迎えし、インド東北部における政治的重要性に関しレクチャーして頂いた。
インドは現在経済発展が著しいだけでなく、その地理的環境により、国際社会に大きな影響を与えつつあると言える。
特にインド東北部は、北に中国、東にミャンマー、タイ、マレーシア、インドネシアなど東南アジアへと繋がるルートが集まる地帯であり、同地域の治安の安定は世界経済を左右する試金石となりつつあるとの指摘がなされた。
インドは文化的に東南アジアに近く、今後ミャンマー・ルートを通じた市場の拡大が期待できるとし、それに伴いインドが果たす責任も大きくなるとも主張された。
中国のインド洋への南下政策はインドにとり等閑視できない課題である。同氏はインド海軍が果たす役割の重要性を力説していた。
講演の全体を通じ、政治-経済-文化の三つの要素が有機的に連環している事を繰り返し強調されていた点が印象に残った。
日本においては、それらは分離して考えてしまう傾向にあると考えるが、それは島国という地理的環境ゆえであろう。
インド北東部の様に多くの民族が共存し、利益を競う国際舞台で渡り合うには、広い視野と、多彩な知識と情報を組み合わせる力が不可欠である事を実感した次第である。