独立後も政情不安が続き、たび重なるクーデタや権威主義政権による長期支配、近隣諸国との紛争や内戦など、安定した民主主義が確立しない国が多いサブサハラ地域において、なぜガーナの民主主義は生き延びてくることができたのか?を主題とする報告であった。
カンカム氏は、
(1)独立後の民主政とクーデタ・軍政のサイクルから教訓を学び、様々な対策を施した1992年憲法の重要性、
(2)その中に組み込まれた三権分立、軍と警察の独立と統制、地方分権制と広範な政治参加、
(3)民主制と平行して、秩序維持に重要な役割を果たす伝統的首長制度の存在などを、ガーナの特徴として説明した。
ガーナ政治の現場で生きてきたカンカム氏の知見に触発され、質疑応答でも活発にやりとりがなされた。